機動駐在コジロウ




坊主が憎けりゃケースも憎い



 最悪の気分だった。
 気晴らしに吹かしたタバコは一際苦く、腹の底で悪感情が渦巻いている。西日の切れ端が薄く差し込む倉庫の裏 で、無惨な姿を晒している少女達を今一度見下ろす。間違いない、夏祭りの最中に行方不明になった香山千束と その友人達だ。彼女達は死んでいる。生きているわけがない。だから、きっとアレなのだと判断して処理した。
 何度経験しても、苦痛に苛まれる。寺坂は頭部や胸部を撃ち抜かれて絶命している少女達に背を向け、タバコを 深く吸い込んだ。吐き気とため息を誤魔化すために鋭く煙を吐いていると、武蔵野が戻ってきた。熱を帯びた愛銃を ホルスターに差してから、携帯電話をポケットに戻した。

「政府の連中、事後処理をしてくれるんだそうだ。御丁寧なことだな、一乗寺がいないってのに」

「あいつがいようがいまいが、関係ねぇんだよ。人間じゃねぇ連中が人間の振りをして社会に紛れていても、常人には それを見分ける手段はないからな。解剖しても人間そのものだし、上等なクローンみてぇなもんだから、本人の 記憶もクセも引き継いでいるから区別の付けようがないんだ。だから、俺と一乗寺にゴミ掃除をさせるんだ」

 寺坂は右手の袖口から零れている触手を伸ばし、涙を流しながら絶命している少女達に似た別物の口に触手を ねじ込んだ。香山千束の細い食道には胃の内容物と血液が混じったものが迫り上がっていて、寺坂の触手という 異物によって押し出され、口の端からだらしなく溢れた。触手に探られているために顎を逸らして胸を波打たせた 少女は息を吹き返したかのようだったが、アスファルトに投げ出された手足は微動だにしなかった。
 この瞬間が、一番嫌だ。寺坂は香山千束の体温と肉の柔らかさを出来る限り感じないようにしつつ、触手の感覚 を研ぎ澄ませて異物を探り出した。触れた瞬間に微細な電流が駆け抜け、直感する。寺坂のそれよりも少々細いが、 確かに同じ触手だ。それを絡め取り、香山千束の喉から外界に引き摺り出して地面に放り投げた。体液と胃液に まみれた極太のミミズは乾いた土と砂を掻き混ぜるようにのたうち回り、武蔵野が声を潰した。

「うへっ」

「キモいったらないんだよ、毎度毎度」

 寺坂は香山千束の体液と胃液と内容物がたっぷりと付いた触手を払ったが、滑り気は取れなかった。ねばねばと 糸を引く触手を束ねる気には到底ならず、土と砂で身を覆う触手を拾い上げた。後でこれを自分の触手と同化させて おかなければならないかと思うと、寒気がする。けれど、そうしなければ触手は何をするか解らないのだ。

「悪かったな、手ぇ貸してもらって。いつもなら一乗寺の奴に手伝わせるんだが、今のあいつはつばめの傍に置いて おかねぇとどうなるか解らねぇからな。遺産の産物も管理者権限が効くからな、そのおかげで一乗寺はあの格好を 保っていられるようなものなんだ」

 寺坂はタバコの灰を落としてから銜え直し、自身の携帯電話を取り出して時刻を確かめた。ロボットファイトの公演 時間は当の昔に終わっていて、道子からの着信が数件入っていた。武蔵野の助力を受けて香山千束とその友人達 を追い詰めることで忙しかったから、気付かなかったのだ。メールも届いていたので見てみると、つばめと一乗寺は 道子が寺坂の車を借りて送り届ける、とあった。武蔵野の車は後日取りに行け、とも。ロボットファイト自体は大好評を 博して終了したそうで、次回の興行の予定も早速組み始めているそうだ。
 REC会場の高揚した空気に浸って現実逃避をしたくなったが、今、終えるべきは触手の処理だ。寺坂は吐き気を 堪えるために強く煙を吸い込んでから、汚れきった触手の表面に自身の触手を食い込ませた。が、手応えがやけに 硬かった。これまで引き摺り出してきた触手とは違い、重量もあった。何事かと訝っていると、触手の表面が割れて 金属製のカプセルが零れ落ちてきた。それもやはり体液にまみれていたが、明らかな異物だった。

「なんだ、これ?」

 武蔵野に問われ、寺坂は眉根を寄せる。

「知るかよ、こんなもん。今までに何人も触手を引っこ抜いてきたが、こんなのが出てきたのは初めてだ」

「爆弾かもしれんな。吹っ飛ぶ前に壊しちまうか?」

「爆弾だったとしても、俺の触手が何十本か細切れになるだけで済む。開けてみらぁ」

 寺坂は触手でカプセルを掴むと、捻ってみた。多少滑りはしたものの、拍子抜けするほど簡単に開いた。上下に 分かれたカプセルの中から出てきたのは、ビニールで厳重に包まれた物体だった。寺坂が顎で示すと、武蔵野は 渋々それを拾い、ビニールを切り裂いた。幾重ものビニールの中から現れたのは、二つの小さなカードだった。

「携帯のSIMカードとSDカードか」

「なんでそんなもんが、こいつの胃袋に入ってたんだよ」

「俺に聞くな」

 武蔵野はSIMカードとSDカードを眺めていたが、寺坂に向いた。

「で、どうする。壊すか?」

「なんで初っ端からその発想しかねぇんだよ。それ以外の選択肢を考えろよ」

 寺坂が若干呆れると、武蔵野はサングラスを上げて二枚のカードを入念に眺め回した。

「中身を見てみたいもんだが、ここじゃ拙いな。誰が見ているか解ったもんじゃない」

「差し当たって思い付く場所っつったら、あそこかな」

「女の部屋か? だったら勘弁願うね、お前のお手つきの女なんかを回されたらたまったもんじゃない」

 武蔵野に茶化され、寺坂は口角を上げた。

「半分正解だな」

 人間もどきの少女達の死体を隅に追いやり、倉庫裏に捨てられていた擦り切れたビニールシートを被せて隠して から、寺坂は武蔵野を案内した。その道中でどこに行くか見当が付いたらしく、武蔵野は苦々しい顔をした。夕刻の 商店街を行き交う人々の間を擦り抜け、かつて生身の人間として生きていた道子が美作彰に轢殺された大通りを 渡り、店仕舞いを始めた個人商店を横目に一本奥の通りに入ると、古い雑居ビルが建っていた。
 塗装が剥げかけた階段の脇に設置された看板に、まだ新しいネームプレートが填っている。備前弁護士事務所。 狭苦しい階段を昇りながら、武蔵野はふと疑問に駆られた。寺坂は合い鍵を持っているのだろうか。

「おい、寺坂。鍵、あるのか」

 武蔵野の言葉に、寺坂はスポーツカーのキーがじゃらじゃらと付いたキーホルダーを出した。

「そりゃもちろん。でなきゃ、来るわけがねぇっての」

「備前美野里の部屋から勝手に拝借してコピーしたんだな」

「人聞きの悪いことを言うなよぉー。ドジッ子なみのりんがうっかり事務所の鍵をなくしたら大事だから、俺が首尾良く 予備を作って手元に置いておいたんじゃないか」

「どこのストーカーの理論だ、それは」

 武蔵野が顔をしかめると、寺坂は事務所のドアに鍵を差し込んで回し、開けた。

「人の嫁さんに横恋慕して十五年も引き摺りまくって童貞を拗らせすぎて魔法使いどころか大賢者にジョブチェンジ したむっさんにだけは言われたくねぇなー。それ、精神的なストーカーじゃん?」

「現実に行動していないだけ、俺はまだまともだ。それと、俺が女を知らないように見えるか?」

「ふはは、言ってみただけ。ぐずぐず腐っているよりも、すぱっと切り替えた方が潔くて格好良いと思うけどなぁ」

 寺坂は少し埃っぽい事務所に入り、蛍光灯のスイッチを入れた。武蔵野は寺坂の後頭部を引っぱたく。

「だからって、手当たり次第に他の女に手を出すな! お前は備前美野里が好きなんだろうが!」

「特定の女がひたすら好きだからってなぁ、下半身が大人しくしているわけがねぇだろ! むっさんはその辺の妄想とか 安いAVで満足出来るタイプなんだろうが、俺はそうじゃない! 六十分コースで本番有りじゃねぇと抜けん!」

 やたらと誇らしげな胸を張った寺坂に、武蔵野は下痢でも起こしたような顔になりつつ、後ろ手にドアを閉めた。

「お前が一乗寺と仲良く出来ていた理由が解ったよ。いや、解りたくもなかったが……」

「で、むっさんは右手なの、左手なの」

「そんなもんを知ってどうする! シモの話から離れろ!」

 年甲斐もなく羞恥心を覚えた武蔵野は、それを誤魔化すために寺坂を怒鳴りつけてから、件のカードを机に叩き 付けた。道子がこまめに掃除をしていても埃は溜まるらしく、空気に流れに応じて埃の粒が舞い上がった。

「ん」

 寺坂に手を差し伸べられ、武蔵野はそっぽを向いた。

「俺の携帯は貸さんぞ。新免工業との繋がりが切れちまったから、支給品もなくなった。俺の今のボスは、唸るほど 金を持っているくせに払いが渋いからな。変なカードを突っ込んで携帯が壊れたから買い換えるための金をくれ、と 言ったところで、汚物を見るような目を向けられるだけだ」

「あー、それもそうだな。むっさんを雇うと、弾薬代が馬鹿にならないしな。みっちゃんを雇った時は電気代が増えた だけで済んだだろうけど、むっさんはメシも喰うし風呂にも入るし出すもの出すし、その分の出費が増えちまって いるもんなぁ。となると、俺の御布施の額もまた減るな。むっさんに経費が割かれた分」

 仕方ねぇ、と寺坂は二台目の携帯電話を取り出した。

「あーあーあー。出勤したってメールがあるよー、同伴OKだってー。あーあー勿体ないなぁ、今から行って閉店まで 粘ればアフターでお持ち帰り出来るかもしれねぇのになぁー。なー、今からキャバ行かね? 俺の奢りで」

「いいから、さっさとやることを済ませろ。中身を確認したら、その情報に応じて今後の行動が決まるんだから」

「たまには景気良く遊ぼうぜー、むっさん。でねぇと、いつか潰れちまうぞ?」

「生憎だが、俺は女と遊ぶのは好きじゃない」

「じゃ、ニューハーフ系? 俺もあれは嫌いじゃないけど、この辺にはそういう店はないぜ?」

「そういう意味じゃないと何度言えば解るんだ!」

 苛立ち紛れに武蔵野が机を叩くと、書類が舞い上がった。すると寺坂は仰け反り、げらげらと笑った。

「どぅえあははははははっ! んだよそのリアクション、昔の中坊かよー! どんだけエロ耐性低いんだよー!」

「一から十までシモの方面に向かうのが嫌なんだよ、俺は!」

「いいじゃん。シモっつーかさ、エロは生殖本能に直結した生物の在り方そのものだろ? だから俺はエロが好き、 化粧を盛りまくったお姉ちゃんと酒を飲むのが好き、でもってオスの象徴みたいなもんである車とバイクが大好き。 開き直っちまえばいいんだよ、むっさんも」

 ボテ腹が好きだって、と寺坂が付け加えたので、武蔵野は反射的に引き金を引きかけた。が、押し止める。

「ひばりを侮辱するような言葉を二度と吐くな」

「へいへい」

 肩を竦めた寺坂は、応接セットに腰掛けてテーブルの上に両足を投げ出し、携帯電話の裏蓋を外した。一度電源 を落としてからSIMカードを抜き、香山千束の体内から出てきたSIMカードを差し込んでから再度電源を入れた。 数秒の間の後、ホログラフィーモニターには寺坂のものではないユーザー名が表示された。Viper。
 途端に電話が掛かってきて、寺坂はぎょっとして携帯電話を落としかけた。すかさず触手を伸ばして床に激突する 寸前で拾い上げ、耳元に運んだ。武蔵野も寺坂の背後に立ち、音声に耳を澄ました。

「誰だよ、お前」

 寺坂が不躾に質問すると、若干間を置いて返事があった。

『この素晴らしき才能の権化である僕に質問するだなんて、百科事典で焚き火をするような愚行だよ』

「だから、誰だよ」

 寺坂が再度問い返したが、思い当たる節がある武蔵野は心底うんざりした。

「羽部だ。羽部鏡一。お嬢の部下だったことがある、フジワラ製薬の造ったヘビ怪人だ」

『おやおや。その品性どころか知性に欠ける物言いと錆びた有刺鉄線を引きずり回したような聞き苦しい声色は、 対人戦闘しか能がない武蔵野巌雄じゃないか。なんであんたが寺坂善太郎と一緒にいるんだ? まあ、新免工業も 佐々木つばめにしてやられたから、ってところだろうけど。計算違いだな。ああもう腹が立つね、屈辱的だよ』

 羽部の修飾が多すぎる言い回しに、寺坂は早々にげんなりした。 

「何だよ、こいつ。勘違いインテリが無駄なプライドと無意味な上から目線を煮詰めた感じ?」

「まあ、間違いじゃない。だが、羽部は俺達に味方するような奴じゃない。佐々木つばめにもだ。おい羽部、今、 どこから電話を掛けているんだ? まずはそれを教えろ」

 武蔵野が尋ねるが、羽部は鼻で笑い飛ばした。

『教えたって解るわけがないじゃないか。この優秀という言葉を体現している僕ですらも理解し切れていない場所だ から、最終学歴が高校中退のあんた達なんかに理解出来たら、地球が爆発してしまうよ。でも、そっちにいる設楽 道子になら解るはずだ。あの女も大概に頭が空っぽなスイーツだけど、アマラが使えるからね。同封したSDカード を設楽道子に渡せば、ある程度のことが解るはずだ。おおっと、この全宇宙からの賛美に値する僕に対して叫ぶの はなしだ。顎で使うな、使われるだけの理由がない、とかね。それがあるんだよ、充分に。特に、寺坂善太郎』

 急に名指しされ、寺坂は舌を出した。

「うげぇ。俺、ヘビは嫌いなんだけどなぁ」

『この血肉を持った叡智の結晶たる僕を侮らないでくれる? いいかい、一度しか言わないからよく聞け。今、この秀麗 という表現が相応しい僕がどこにいると思う? 弐天逸流の本部だよ』

 え、と寺坂が目を丸めると、武蔵野は訝った。

「お前、いつから弐天逸流に鞍替えしたんだ? 何でこんなに回りくどい方法を取って連絡をしてくるんだ?」

『その辺の細かいことはSDカードを見れば解るんだから、いちいち説明させないでくれる? カロリーの無駄だし。 とにかく、寺坂善太郎。あんたが長年探し求めて止まない弐天逸流の教祖が、ここにいるんだ。それだけ解って いれば、この天賦の才を体現している僕の言葉に従って行動せざるを得ないはずだ。じゃあね』

 そう言い残して、羽部は通話を切ってしまった。武蔵野は精神的な疲労に苛まれ、一人掛けのソファーにどっかり と腰を下ろした。寺坂だけでも鬱陶しかったが、羽部はその倍以上の鬱陶しさだった。寺坂は羽部の無遠慮極まり ない言葉の嵐にさぞや文句を言うだろう、と武蔵野は覚悟を決めていたが、寺坂は真顔で通話の切れた携帯電話 を見つめていた。サングラスを外して目元を押さえた寺坂は、くくっと笑みを漏らして背中を引きつらせた。

「行くしかねぇなぁ」

「嘘じゃないのか? あのヘビ男は他人を騙すことなんて屁とも思っちゃいないだろうし、お前のことだって利用する つもりだろう。一応、道子には連絡を取ってみるが、真に受けるもんじゃない」

 武蔵野は応接セットのテーブルに転がっているSDカードを取ろうとすると、寺坂の触手に阻まれた。

「いや、俺がやる。一から十まで俺がやる。弐天逸流に突っ込んで引っかき回して教祖の首を跳ね飛ばすまでは、 誰にも邪魔はさせやしねぇ。それが誰であれ」

「粋がるなよ。俺達だけじゃろくなことが出来ねぇのは、身に染みているはずだ。気持ちは解るがな」

 武蔵野はテーブルの上でうねる触手を払ってから、姿勢を戻した。寺坂は吹き出し、大笑いする。

「解る? 解るわけねぇだろうがよ、どこの誰にも俺のことなんか! 調子のいいこと言ってんじゃねぇぞ!」

 次第に語気を荒げた寺坂は身を乗り出し、触手を使って武蔵野の胸倉を掴んだ。

「解ってほしくもねぇし、解ってもらうつもりもねぇが、二度とそんな戯れ言を吐くな! 内臓を引き摺り出すぞ!」

「……その前に、お前の脳天が消し飛ぶ」

 後ろ手にホルスターから拳銃を抜いた武蔵野は、寺坂の眉間に銃口を据えた。ほのかな余熱を内包した鉄塊が 骨に当たり、硬い手応えが返ってきた。掛け時計の秒針が動く音と互いの呼吸音が緊張感を促し、束の間、両者 は睨み合う格好になった。事務所の手前の道路で車が通りすぎたのか、ブラインドの隙間から差し込んできたヘッド ライトがぐるりと室内を巡り、二人の薄い影を際立たせた。
 一度、深呼吸した後、寺坂は触手を緩めて武蔵野を放り出した。舌打ちし、ポケットから出したタバコを銜えて火を 灯した。武蔵野は少々乱れた襟元を直してから、禿頭の男の横顔を見やった。

「寺坂。お前は、弐天逸流と何があったんだ」

「訊いたからには最後まで付き合えよ、むっさん。だが、素面じゃ話す気にならねぇや。酒だ酒、どぎついの」

 寺坂が腰を上げたが、武蔵野は渋った。

「他人の仕事場で酒盛りか? 頭の足りない高校生みたいな発想だな」

「なんだかんだでむっさんは育ちがいいよなぁ。あれか、玄関先で靴を揃えちゃうタイプ? そそるねぇ」

 適当に見繕ってくらぁ、と言い残し、寺坂は事務所を後にした。それから十数分後に戻ってきた寺坂は、ボトルの ウィスキーとワインをこれでもかと詰め込んだ買い物袋を提げていた。ボトルをがちゃがちゃ言わせながらテーブル に荒っぽく置くと、おもむろにウィスキーを一本取り、瓶から直接呷った。度数のきつい蒸留酒を喉を鳴らして飲む 様に、武蔵野は思わず口元を押さえた。見ているだけで悪酔いしそうな光景だ。

「さぁーてぇとぉ、世にも気色悪い身の上話の始まり始まりぃー!」

 早々に酔いが回ったのか、寺坂は右腕を振り上げた。その拍子に大量の触手がばらけて扇状に広がり、不規則な 影が武蔵野の頭上を過ぎった。武蔵野も酒は嫌いではないし、それなりに飲めるのだが、寺坂のような無茶な 飲み方に付き合っては身が持たないので、給湯室にあった緑茶を入れて文字通り茶を濁すことにした。
 触手と共に、生臭坊主の過去が紐解かれた。





 


12 11/2