機動駐在コジロウ
Mobile resident Kozirou





登場人物紹介


佐々木つばめ 「全部が全部私のモノだ、誰にも渡してやるもんかぁっ!」
主人公。十四歳。生まれて間もなく両親と離別したため、佐々木家の財産管理を行っていた 弁護士に引き取られて育てられていたが、顔も名前も知らない祖父の遺言で莫大な遺産を 相続する権利を得た。快活で人懐っこく、しっかりしている。コジロウに一目惚れしている。

コジロウ 「任務、完了」
稼動年数三年。つばめの祖父に当たる佐々木長光の財産の一部であり、その遺言に則って つばめの護衛を命じられた警官ロボットで、恐るべき性能を秘める。人間味はなく無機質。

備前美野里 「でも、私はいつまでもつばめちゃんの家族よ」
二十九歳。佐々木長光と付き合いの長い弁護士一家の生まれで、自身も弁護士。十五歳の 頃からつばめと家族同然に暮らし、名実共に姉と言える存在。心優しく、つばめが大好き。

一乗寺昇 「だから、やっちゃいなよ。ドログチャな裁判沙汰よりも単純明快だろ?」
二十七歳。船島集落の分校に勤める、たった一人の教師。その実は内閣情報調査室から 派遣された諜報員であり、つばめの監督役でもある。とにかく性格が軽く、調子がいい。

寺坂善太郎 「御布施をどう使おうが俺の勝手だろうが、あーうるせぇ」
三十二歳。佐々木家が檀家となっている寺の住職。己の欲望に正直で僧侶らしからぬ趣味 に明け暮れている。若い頃に欠損した右腕を触手で補っている。だらしないが、筋は通す。

佐々木長光
故人。佐々木つばめの祖父。片田舎の農家に生まれながらも、ある日突然莫大な財を築き 上げた。だが、彼の生涯には謎も多く、その遺産は多方面から狙われている。佐々木つばめの 父親は佐々木長光の長男であり、吉岡りんねの父親は佐々木長光の次男である。


吉岡りんね 「そうですか。でしたら、こちらにも考えがあります」
十四歳。つばめの父方の従兄弟。世界有数の大企業の社長令嬢で、父親の命令で刺客 をつばめに差し向ける。沈着冷静で礼儀正しく、恐ろしく頭が良い。ちくわが大好物。

武蔵野巌雄 「おお、おっかねぇ。だが、派手な手段は嫌いじゃないぜ」
四十五歳。吉岡りんねの部下の一人で、サブリーダー格。見た目はヤクザそのもの。その 実は新免工業が雇った産業スパイ兼傭兵で、銃撃戦と近接戦闘が得意。真面目かつ実直。

高守信和 「……ぬ」
三十代後半。吉岡りんねの部下の一人。小柄で丸っこい体格の男で、異様に手先が器用。 その実は過激派宗教団体の工作員で、隠密活動が得意。極めて無口だが、情緒は豊か。

設楽道子 「いやぁーん全てだなんてぇ、御嬢様ったら過激ぃーん!」
二十歳。メイドであり、吉岡りんねの部下の一人。その実はハルノネットが差し向けた刺客 であり、フルサイボーグ。味覚がないため、致命的に料理が下手。きゃぴきゃぴしている。

藤原伊織 「手足切り落としたって構わねぇってか、っひゃっひゃひゃひゃ!」
十九歳。吉岡りんねの部下の一人。フジワラ製薬の吉岡グループへの差し金だったが、りんね の部下として引き抜かれる。その実は変身能力を持つ改造人間。自堕落だが、凶暴。

岩龍 「どうかの、ブチ格好ええが! ワシがやったんじゃけぇ!」
稼動歴五年。吉岡りんねが所有する人型重機。元々は地下闘技場で賭けファイトを行っていたが、 りんねに買い取られて改造された。情緒豊かだが精神的には未熟。広島弁で喋る。


小倉美月 「いいよ、気にしないで。誰にだって何かしらの事情はあるんだしさ」
十四歳。吉岡りんねのクラスメイトで、小倉重機の社長の一人娘。諸事情で船島集落に近い 母親の実家で暮らす。レイガンドーとは兄妹も同然で機械いじりが得意。芯の通った性格。

レイガンドー 「そう泣くなよ。かわいこちゃんが台無しだ」
稼動歴十五年。小倉重機が所有する人型ロボット。地下闘技場で岩龍とは幾度も戦った仲。 元々は人型重機だったが、現在は人間大の機体で稼働している。妹思いで温厚な好青年。


藤原忠 「私の目的は今も昔も一つだけだ、素晴らしき悪役であれ!」
五十五歳。フジワラ製薬の社長であり、藤原伊織の父親。悪役に対して常軌を逸した情熱を 抱いており、その結果、アソウギを用いて怪人を増産した。何はなくとも形から入るタイプ。

羽部鏡一 「まあ、この僕は優秀だからそんなミスは犯さないけど?」
二十六歳。フジワラ製薬で生体改造実験に関わる研究を担っていた社員であり、ヘビ怪人。 科学者としては優秀だがエリート意識の固まりで、陰険かつ卑怯な性格。常に上から目線。

美作彰 
三十七歳。ハルノネットのサイボーグ技術課主任であり、道子をサイボーグ化した張本人。 人形に対して並々ならぬ執着を持っており、人形を通じて他人と会話する。美形だが変人。

周防国彦 「ああ、ろくでもないことばかりだよ、この仕事に就いてからは」
三十歳。内閣情報調査室に所属している捜査員であり、一乗寺の同僚。遺産関連の捜査を 行っているが、前線に立って戦うことも多い。常識的な性分故に、周囲に振り回されがち。

柳田小夜子 「そりゃそうだろ、スーちゃんに技術屋の苦悩なんて解らんのさ」
二十八歳。内閣情報調査室に所属するエンジニア。コジロウの修理と整備が主な仕事だが、 趣味と実益を兼ねている。ヘビースモーカーで男臭い性格であり、極めてマイペース。

鬼無克二 「あれじゃダメですってー、満足出来ません」
二十五歳。新免工業に所属する最新式の戦闘サイボーグであり、武蔵野巌雄の同僚。細身で 柔軟なボディを生かした格闘術と狙撃が得意。盗撮を愛好する、屈折した性癖の持ち主。

桑原れんげ 「あーあ、冷たいんだー。私のこと、忘れちゃうだなんて」
十四歳。船島集落の分校に通っている、つばめのクラスメイト。




用語解説


船島集落
中部地方の山間に存在する小さな集落。人口五十人程度の限界集落だったが、船島集落を 含む山間部の全てが佐々木長光の所有物となった際に住民は一人残らず退去した。その 全ては直系の孫である佐々木つばめが相続する、と佐々木長光の遺言書に記されている。 土地だけでも総資産価値は数百億は下らない。

遺産
佐々木長光が、孫娘である佐々木つばめに残した莫大な財産の総称。コジロウもその一部で あるが、遺産の全容を把握している者は佐々木長光以外には存在しない。

吉岡グループ
吉岡りんねの父親が社長を務めている、世界規模で展開している大企業。あらゆる産業を 担っており、その名を知らぬ者はいないほどである。

フジワラ製薬
藤原伊織を改造した、バイオテクノロジーで世界征服を目論む秘密組織。表向きは製薬会社 だが、裏では人体実験を繰り返し、特殊能力を得た改造人間を次々に生み出している。

弐天逸流
高守信和が所属する宗教団体。表向きは剣術の流派を装っているが、佐々木長光の遺産を 我がものにして大規模な布教活動を行おうと企んでいる。

新免工業
武蔵野巌雄が本来所属する会社であり、吉岡グループを敵視している大企業。常日頃から 吉岡グループを出し抜こうと日々画策しており、吉岡りんねに取り入ったのもその一環。

ハルノネット
設楽道子が本来所属する会社であり、携帯電話とインターネット回線を基本とした通信網を 賄っている企業。遺産を入手し、サイボーグ化技術の一大シェアを手にしようとしている。

内閣情報調査室
一乗寺昇が所属する政府組織。佐々木長光が存命中からコジロウと始めとした遺産の調査 と管理を行っており、つばめの身辺警護と同時に吉岡グループの実態調査も行っている。


ムリョウ
コジロウの動力源であり本体ともいえる遺産であり、無限動力炉。形状は捻れた金属。

タイスウ
金属製の棺のような外見の無限防衛装置。コジロウを始めとした、遺産を収納する。

コンガラ
吉岡グループが所有する遺産であり、無限複製装置。形状は正方形の立方体。

アソウギ
フジワラ製薬が所有する遺産であり、無限バイオプラント。形状は緑色の粘液。

アマラ
ハルノネットが所有する遺産であり、無限情報処理装置。形状は銀色の針。

ナユタ
新免工業が所有する遺産であり、無限エネルギー発生装置。形状は青白い鉱石。

ゴウガシャ
弐天逸流が所有する遺産であり、無限生命装置。形状は千手観音に似た石像。









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