手の中の戦争




第十三話 スクール・ウォーズ 前



私は、逃げない。


誰かが戦わなければならない時に戦うことは、自衛官の役割であり、特殊機動部隊の使命でもあるからだ。
たとえ、ろくな武器が手元になかろうとも、北斗も南斗も傍にいなくても、私一人だけであっても。
戦わなければ、いけない。




毎日が忙しいと、季節が過ぎるのも早くなる。
ついこの間まで、春であったり夏であったりと思っていたのに、気付いたら十一月も後半に差し掛かっていた。
特殊機動部隊は、相変わらずだ。過酷な訓練や特殊演習を繰り返し、たまに命じられる任務をこなしている。
人型兵器研究所でのソフト面とハード面の改造を終えたグラント・Gは、さすがにまだ配属されてはいない。
だけど、研修という名目で駐屯地にはいる。なんでも、彼女の情操教育のためと、本人の強い希望なのだそうだ。
最初はそうでもなかったけど、次第に北斗と南斗が兄であるという自覚が出始めたのか、一緒にいたがるのだ。
北斗も南斗もそうで、男友達同士みたいな関係だけど、ただ一人の妹であるグラント・Gを可愛がっている。
私の日常はと言えば、変わりつつある。二学期が終われば三学期が、高校受験のシーズンが訪れるからである。
先生方は進路指導や授業に熱を入れていて、推薦を取るべく勉強を頑張っているクラスメイトも少なくはない。
私は、自衛隊のことがあるし成績がガタ落ちしているので、学力の高い高校は端から諦めることにしている。
奈々は進学塾に行っているけど成績は芳しくないので、やっぱり私と同じように、進学校なんて諦めきっている。
夏休み中に少々問題を起こした、植原明日香、笹岡京香、吉田恵美の三人は停学処分の影響で推薦が消えた。
だけど、親の財力でどこかのお嬢様学校にでも行くらしく、その辺りの話を自慢気にべらべらと喋っていた。
そして、彼が帰ってきた。李太陽リ タイヤンと沢口陽介という、二つの名を持つシュヴァルツ工業の工作員の彼である。
彼は、李太陽としてではなく、以前のように沢口陽介として私に接してきた。だから、今でも沢口君と呼んでおく。
沢口君は夏休みの事件を、変質者にやられたと周囲には説明していた。それは、いかにもそれっぽい言い訳だ。
いつものように優しく笑う沢口君の、表情は読めない。彼が何を考えているのか、何を思っているのか解らない。
だけど、私は沢口君に探りを入れられるほど器用ではないので、彼の様子を見ているしかやれることはなかった。
それに、敵に動きがないなら余計なことはするな、と朱鷺田隊長にもしっかり言われていたということもある。
私の日常は、受験とはまた別の緊張感に満ちていた。通学カバンに、実弾入りのマガジンを入れることになった。
装備がグロック26だけでなく、細めのコンバットナイフも加わった。ドッグタッグを常に付けていろと命令された。
手榴弾の扱い方を、以前にも増して教わった。罠の作り方も教えられた。急所を突くための格闘術も、増えた。
それらの命令を聞くたび、教えられるたび、実感した。私を取り巻く状況が、今まで以上に危険になったのだと。
そして。本当に戦わなければならない時が、来るのかもしれないのだと。




訓練を終え、私は特殊機動部隊専用営舎に戻ってきていた。
十一月もそろそろ終わるので、すっかり寒くなっている。だけど、戦闘服を着込んで訓練をすれば、汗を掻く。
それでなくても、地面に這って狙撃したり走り込んだりして砂埃にまみれたりするので、体中が埃っぽかった。
それを落とすため、私はシャワーを浴びていた。熱めの湯を頭から浴びると、冷え切った手足の先が少し痛い。
しばらくすると、全身に血の巡りが戻ってくる。銃を撃った反動でびりびりしていた肩も、次第に元に戻ってくる。
肩を回して筋肉を解し、ヘルメットを被っていたために凝り気味の首も回す。関節から、ばきばきと音がした。
湯気の中、湯の伝う二の腕を撫でてみた。去年に比べたら大分筋肉が付いていて、感触も硬くなっている。
腹も足もそれなりになっているが、骨格が貧弱なので大したことはない。身長も、百五十八センチで止まっている。
ため息を零しそうになったが、飲み込んだ。体格云々は最初からの問題なのだから、技術を磨いていけばいい。
死なないために、勝ち抜くために、これからも生き延びていくために。私は思い直し、うん、と強く頷いた。
髪を洗って体も洗ってから、シャワーを止めた。きゅっ、とカランを捻る高い音が、シャワールームに響いた。
目隠しのカーテンを引いて、手近な場所に置いておいた水色のバスタオルを取り、髪と体の水気を拭った。
脱衣所に出ると、脱衣カゴに入れた下着を身に付ける。胸がないので、ブラジャーは色気のないスポーツブラだ。
備え付けの洗面台に映る自分の体の貧弱さに、改めてげんなりした。個人差があるとはいえ、不公平だと思う。
比べる対象が、物凄い美人の鈴音さんや、二十五歳なのにやたらと可愛いすばる隊員だというせいもあるが。
それでも、やっぱり、へこむものはへこんでしまう。私がやさぐれていると、脱衣所の扉が数回ノックされた。

「はいよー」

気の抜けた声を出すと、北斗の声が返ってきた。

「上がったのかね、礼子君」

「入ってもいいよー」

私が言うと、北斗は脱衣所の扉を開けたが、すぐに閉めた。

「せめてもう少し服を着たまえ、礼子君!」

「前に一度、全部見てるじゃん。別に今更、どうってこともないと思うんだけど」

私は、変に意識している北斗にちょっと呆れた。北斗は、恐る恐る、脱衣所の扉を細く開けた。

「あ、いや、まぁ、そうなのだが…」

「んで、何の用?」

私は頭に載せていたバスタオルを、肩に引っかけた。北斗は脱衣所の扉を半開きにしたが、及び腰だった。

「近頃、シュヴァルツ工業の絡んだ連中の動きがきな臭いことは知っておるな。大型の貨物ばかりを日本へ向けて輸出しておったり、稼働していなかった工場を急に稼働させたり、と裏で何かを画策しているようなのだ」

「まぁね。でも、表立った動きをしていないから突っ込めない、ってこともね」

私が脱衣所の扉に近付くと、北斗は半歩身を下げた。

「だっ、だが、今し方、それとは別の任務を命じられたのだ! 領海内に、不審船が現れたのだ!」

「その不審船絡みのミーティングでもするわけね」

「ああ、まぁ、そうだ!」

私がちょっと前のめりになると、北斗はあからさまに慌てた。廊下の壁に背を当て、私を指して喚く。

「お願いであるから、もう少し、もう少し恥じらいを持ってくれたまえ、礼子君!」

「こんなものに意識しないでよ。ロリコンじゃあるまいし」

私は、平均よりも小さな胸を覆うスポーツブラの肩紐を引っ張った。北斗は、わぁ、と仰け反る。

「するなと言われてもしないわけにはというよりしてしまうのが必然であるからして!」

「私のパンツを拝んだ時の根性はどこに行ったんだろうかねぇ」

私がにやりとすると、北斗は情けなく唸った。

「あ、あれは…。その、無知故の純粋なる好奇心というかであって…」

「んじゃ、服着るから。また後でね」

困っているのか口元をひん曲げている北斗を見やり、私は脱衣所の扉を閉めた。ああ、からかい甲斐がある。
戦闘服ではなく、ジャージを着込みながら、私は内心で笑っていた。関係が変わったら、北斗は弱くなった。
一月半前の夜勤の時に、私と北斗の関係は友達からその先の、世間一般で言うところの恋愛関係になった。
だが、私はもとい精神的にガキな北斗が相手なので、色気などあるはずもなく、イチャベタにもならない。
でも、それはそれでいいと思う。必要以上に、北斗に依存してしまっては、いざというときに負けてしまう。
たまに北斗の方から触れてくるので、それぐらいで充分だ。ベタベタしていなくても、好きは好きなのだから。
私は着替えた下着とバスタオルを手にして、脱衣所を出た。北斗は、廊下の壁により掛かり、息を荒げている。

「礼子君、自分を翻弄することがそんなに楽しいのかね!」

「そりゃあもう」

私は、北斗の前を通り過ぎた。北斗は私を追い、付いてくる。

「けしからんぞ、上官侮辱だ!」

「一士と士長じゃそんなに変わらないでしょ」

「一階級であっても、階級は階級だ! 軍人たるもの、上下関係は厳しく締めなければならんのだ!」

大きく胸を張り、北斗は高らかに宣言した。私は、北斗に振り返った。

「まぁ、そりゃそうだけどさ」

北斗は不愉快げに口元を歪めていたが、私がじっと見ていると表情を次第に緩め、こちらを見下ろしてきた。
照れと嬉しさが入り混じったような、そんな視線でこちらを見ている。目元がゴーグルなので、解りづらいが。
それでも、慣れてしまえば解る。人間と遜色のない、いや、それ以上かもしれないぐらい、表情が豊かなのだ。
本当に金属で出来ているのかと疑いたくなるほど、北斗と南斗の表情は滑らかだ。だから、些細な変化もある。
北斗は私の視線を訝しんでいるのか、唇をほんの少し尖らせて、端を曲げている。それが、言葉に合わせて動く。

「なんだね、礼子君」

「ん、別に」

私は、再び北斗に背を向けた。つい、口元に目線を向けてしまう。私と北斗がキスをしたのは、ただの一度だ。
あの夜勤の夜に、高ぶりに高ぶった感情に任せて告白して、その勢いのまま変な条件を出した挙げ句に、した。
後から考えてみれば、私ってとことん馬鹿だと思う。なんで、あんな恥ずかしいこと、言っちゃったんだろう。
キスしてくれたらスカートめくりの件を許してやる、だなんてこと、どこの少女漫画だ、どこの少女小説だ。
いや、そういうこっ恥ずかしい世界の人間なら言わない。むしろ、少年漫画に出てくる頭の足りないヒロインだ。
つくづく、嫌になる。確かに北斗が好きだけど、好きだからと言って、何もあそこまでしなくても良かったんだ。
あの時の恥ずかしさが未だに拭えていないこともあるし、また変なことを言いたくないから、私からは求めない。
北斗も北斗なりに恥ずかしかったらしくて、話題には出さない。どっちもどっちで、ガキ臭いカップルである。
でも、またしてみたいなんていう気持ちは全くないわけではない。なので、またいつか、遠い未来にするだろう。

「馬鹿だなーって思って」

私は思考を止め、自虐的に呟いた。北斗は背を曲げて、私を覗き込んでくる。

「主語が抜けておるが、誰がどう馬鹿なのだ?」

「うるさい。さっさと行くよ」

私は北斗から距離を開けるべく、早足に歩いた。事務室のある一階に向かうため、幅の狭い階段を下りていく。
北斗は首を捻っているようだったが、素直に付いてきた。そんなことまで、いちいち問い詰めないでくれ。
階段を下りながら、私は自己嫌悪に苛まれた。好きなのに、どうしてこう、愛想のない態度しか取れないんだ。
いや、好きだからこそだ。素直に好意を見せるのが照れくさくて恥ずかしいから、つい素っ気なくしてしまう。
それでは、好きな女子に意地悪をする小学生男子の心境じゃないか。どこまで低レベルなんだよ、私の恋愛は。
素直になることって、普通だったら簡単なことのはずなのに、どうしてこんなに難しいんだろう。参ってしまう。
やっぱり、恋ってやりづらい。


事務室には、既に皆が揃っていた。
私と北斗が部屋に入ると、Hey、とグラント・Gが声を上げ、左腕に付けられた巨大なドリルを振ってきた。
研修という名目でここにやってきた彼女のために、部屋の入り口を拡張して、入れるようにしてあったりする。
グラント・Gは、私達のようなスチール机を使えないので、当然ながら与えられておらず、入り口付近にいた。
朱鷺田隊長は、私と北斗を待っている間にタバコを吹かしていたのか、灰皿には吸い殻が積み重なっている。
南斗は頭の後ろで手を組んで、暇そうにしている。すばる隊員と神田隊員は、慌てて互いから目を逸らした。

「しけ込むんなら、仕事が終わってからにしろ。呼びに行かせてから、どれだけ時間が掛かったと思っている」

朱鷺田隊長が、少々不機嫌そうに私達を睨んだ。北斗は途端にずり下がり、喚いた。

「断じて違うのだ、そういうことではないのだ!」

「ああやだやだ、どうして世の中には恋と愛なんてもんが存在しているんだろう。嫌んなっちまうぜ」

やさぐれた様子で、南斗はそっぽを向いた。グラント・Gは、厚い装甲の付いた大きな肩を竦める。

「Hahahahahahahaha! South star、フラレ野郎ニハ very painful ナ状況ダナ!」

「うるせー! 初恋ってのは破れるんだよ、世界の常識なんだよ!」

むきになって、南斗はグラント・Gに言い返した。グラント・Gは長兄の反応が楽しいのか、更に笑う。

「Hahahahahahahaha! 礼子カラ構ワレナクナッチマッタノガ、ソンナニ lonesome ナノカ、兄貴?」

「そーいうんじゃねーよ」

南斗はちらりと私を見たが、すぐに顔を逸らしてしまった。南斗も、やっぱり北斗と同様にまだ子供だ。
さすがに、たった一ヶ月半では私に対する感情やら北斗に対する嫉妬を、どうこう出来るわけがないのだ。
南斗には罪悪感を感じるが、これもまたどうにも出来ないことだ。好きな相手を、増やすことは出来ない。
それに、いくら相手がロボットといえど、二股はいかんだろう。しかも双子。人道に反する行為だ、と思う。
朱鷺田隊長は、ため息混じりにタバコの煙を吐き出した。いい加減に座らないとまずい、と私は席に着いた。
北斗も自分の席に着くと、南斗は不機嫌なままだったが朱鷺田隊長に向いた。朱鷺田隊長は、皆を見渡す。

「お前らが下らん恋愛に興じている間に、また厄介な任務が下された」

朱鷺田隊長は銜えていたタバコを灰皿に押し当てると、ケースから新しいタバコを出し、唇に挟んで抜いた。

「太平洋側に船籍不明の中型輸送船が一隻と、それとは全く反対方向の大陸側からも同じく船籍不明の小型輸送船が一隻ずつ確認された。鈴木がいるから詳しい事情は言えないが、ろくでもない船なのは間違いない。双方の船の積み荷が何であるかもそうだが、乗組員によっては銃撃戦も免れない。そこで、今度の作戦は鈴木は外す。グラント・Gも、当然ながら待機だ。研修中の身だからな、出撃なんてさせられるわけがない。無駄死にされちゃ、今までに注ぎ込んだ金が全て無駄になっちまうからな」

「Oh! ソイツハ Regrettable ダゼ! ダガ、Captain order トアッチャ仕方ネェナ!」

グラント・Gは、首を軋ませながら左右に振った。

「まぁ、それが妥当ですね。死にたくないですし」

私が言うと、朱鷺田隊長はタバコの先端に火を点けた。

「俺も、部下に死なれるのは勘弁だ。今は海保と海自が追っているが、領海内に入ってこないから攻めるに攻められないらしい。だが、領海内に侵入するのは時間の問題だ。領海内に入ったらすぐに戦闘に持ち込め、だそうだ。要は、いつも通りだ」

「射殺許可は」

北斗が尋ねると、朱鷺田隊長は目を上げた。

「とっくに承認済みだ。但し、殺しすぎるな。リーダー格は足を撃ち抜くだけにしておけ」

「海上戦かー、やだなー、狭いところって動きづらくて好きじゃねーんだよなー」

南斗は、面白くなさそうにむくれている。北斗は腕を組み、嫌そうにする。

「塩と水は嫌いだ。あれだけは、いくら訓練したところで好きになれん」

「うちは海は好きやなぁ。あないに広い場所、見とるとすっきりするやん」

すばる隊員が笑うと、神田隊員は彼女の笑みを見てから、顎に手を添えた。

「となると、仕事は早い方がいいな。自決でもされたら困る」

「死体をうっかり海に落とすなよ。回収に手間が掛かるし、証拠が減っちまう可能性があるからな」

朱鷺田隊長の言葉に神田隊員は、解ってますよ、と返した。当たり前のように、当たり前でない会話をしている。
私が外される任務は、大抵そんなものだ。北斗と南斗は、私の知らない世界で私の知らない戦いをしている。
その端々だけでも、私にとっては強烈だった。見知った人間が言う言葉だから、生々しい現実を感じてしまう。
ヒトゴロシ。不意に、二学期の始めに私の机に書かれた言葉が蘇った。遠からず、私もそうなるかもしれない。
いや、なるだろう。国防の最前線を担う部隊にいるのだから、戦いに赴いて、敵の人間を殺さないわけがない。
ふと、彼のことを思い出した。李太陽は、沢口君は、誰かを殺したのだろうか。彼は、私よりも深い世界にいる。
あんなに若い歳で工作員なんてしているのだから、私が銃を手にするずっと前から、戦闘訓練をしているはずだ。
武装組織に所属しているとなれば、戦わないわけがない。となれば、誰かを殺している可能性は、拭えない。
なるべく、戦いたくない相手だ。私と沢口君は年齢こそ同じだが、その境遇も過去も経験も何もかもが違う。
そんな相手に、付け焼き刃の戦闘術を教えられただけの私が勝てるわけがない。殺されてしまうのが関の山だ。
今はまだ沢口君の動きはないが、それが余計に恐ろしかった。あの白いワゴン車といい、企てがありそうだ。
だが、それが解らない。私はもどかしい気持ちになりながら、海上戦の作戦会議をする皆をぼんやりと見ていた。
そういえば、進学する高校を決めておけ、と進路指導の先生から言われた気がするが、まだ決めていなかった。
文化祭も体育祭も終わったので、残すイベントは来月の修学旅行だけど、今年は確か京都に行く予定だった。
十二月の、寒い京都か。他の学校とかち合うのを防ぐためにずらしたのだそうだけど、前倒しの方が良いと思う。
班ごとに別れてグループ研修をする、ということで、どこに行くか決めるための班会議が来週にあるんだった。
どこがいいだろう、どこでもいいか、と私は思った。どうせ、私の意見などあまり聞き入れられないのだから。
班長と副班長はどちらも勢いがあるし、奈々もそういう人間だ。私は、後ろに引っ込んでいるのが相応しい。
沢口君のいる班は別の班だから、グループ研修のコースは違うから、修学旅行中はあまり会わないだろう。

「礼子君?」

相当ぼんやりしていたのか、北斗が声を掛けてきた。私は、目を逸らした。

「なんでもない」

修学旅行は修学旅行で、任務は任務だ。日常は日常であって、自衛隊は自衛隊だ。並べて考えちゃいけない。
北斗が何事か言ってきた気がするけど、私はそれを無視した。どうせ、次の任務には私は出撃しないのだ。
だから今は、進学する高校のことでも考えていよう。レベルの高くない、地元の公立高校にでも行こうかな。
学校ぐらいは、当たり前でいたい。





 


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