非武装田園地帯
Demilitarized Rural Zone





登場人物紹介



黒鉄鋼太郎 「ノーコンノーコンってうるせぇな、どうせオレはエースじゃねぇよ」
主人公。十四歳。中学二年生。交通事故で瀕死の重傷を負い、フルサイボーグとなる。
ぶっきらぼうで、不器用。野球が好きだが、田舎なので学校に野球部がないのが悩み。
三人兄弟の長男で、小学三年生と弟と小学一年生の妹が下にいる。愛称は鋼ちゃん。

白金百合子 「だって、鋼ちゃんがいないと寂しいんだもん」
主人公。十四歳。中学二年生。生まれつき心臓に疾患があり、人造心臓を移植している。
虚弱さのせいで発育が悪く、身長が低いので、傍目からでは小学生にしか見えない。
明るく快活で、何事にも積極的。鋼太郎とは、五歳の頃からの幼馴染み。愛称はゆっこ。

村田正弘 「解る。けど、違う」
十五歳。中学三年生。幼少時に事件に遭って重大な損傷を負い、フルサイボーグとなる。
サイボーグ歴は長く、八年になる。銃器は装備していないが、戦闘仕様のサイボーグ。
理性的で落ち着いているが、気性は激しい。趣味は少女漫画描き。愛称はムラマサ先輩。

山下透 「ちゃんと、自分で言いますので、平気です」
十四歳。中学一年生。諸々の事情により、東京から鮎野町に引っ越してきた転校生。
気が弱く、意見を示すのが苦手。交通事故で左腕を失ったため、サイボーグ化している。
スケッチをするのが趣味で、スケッチブックと色鉛筆を持ち歩いている。愛称は透君。


黒鉄銀次郎 「偽物のロボットになんて、心配されたくねーよ!」
九歳。小学三年生。鋼太郎の弟。兄がサイボーグとなった事実を、受け入れられずにいる。
鋼太郎とは以前は仲が良かったが、今は避けている。野球よりもサッカーの方が好き。

黒鉄亜留美 「だって、ちゃーんと言わないと、鋼兄ちゃんは忘れちゃうじゃない」
六歳。小学一年生。鋼太郎の妹。人懐っこく快活で、百合子を姉のように思っている。
末っ子で、兄達から甘やかされているため、我が侭なところがある。一人称はボク。

白金撫子 「百合が決めないんなら、私とお父さんで決めちゃうわよ?」
三十四歳。百合子の母親。夫である白金孝彦は、現在、月面基地に単身赴任している。
一人娘の百合子が、一日でも長く生きてくれることを願っている。穏やかで品の良い女性。

橘静香 「あたしの車が狭いんじゃなくて、マサがでかいだけよ」
二十六歳。サイボーグ技術を開発している企業の社員。正弘の保護者として同居中。
口が悪く粗雑で、家事の一切を正弘に任せている。酒とタバコが好きで、面倒事が嫌い。

山下亘 「無理はするなよ、透」
十七歳。高校二年生。透の兄。一ヶ谷市の高校に通っており、野球部に所属している。
血の繋がらない妹である透を、実の妹のように大事に思っている。タイガースファン。




用語解説



サイボーグ
多大なる負傷により、通常の医療行為では回復不可能とされる人間に施される治療法。
自身の臓器が無事ならば、生体部品で接続させるが、そうでない場合は全て機械化する。
全身を機械化した際には、フルサイボーグと称されるが、それはあくまでも通称である。
人間に似せたボディを造る技術は、未だ確立されていないため、現時点ではロボットに
酷似したものとなる。生体部品の開発も発展途上なので、生身の頃のような五感を再び
得ることは出来ないが、味覚は、細部までは解らないがある程度なら感じることが出来る。

セミサイボーグ
全身機械化のサイボーグとは違い、臓器や手足を部分的に機械化した人間を指す言葉。
障害や病気、事故などで欠損した部分を補い、身体機能を取り戻すために用いられる。
フルサイボーグに比べれば医療費も大分少ないため、汎用しやすく、普及率も高い。

サイボーグ同好会
略してサイ同。発起人は百合子。会の構成員は鋼太郎、百合子、正弘、透の四人。
名は同好会だが、これといった目的はない。連んでいる四人の総称のようなもの。

鮎野町
鋼太郎らが住む町。規模は小さく、総人口は五千人にも満たない、過疎の進む田舎町。
電車は一時間に一本、バスも一時間に一本しか来ない。店も少なく、買い出しをするには
一ヶ谷市まで出かけないといけない。あるものは、鮎野川と広大な田園と山々だけ。

一ヶ谷市
鮎野町に隣接している市で、かなり大きい。鋼太郎らの、掛かり付けの病院がある。
郊外には球場があり、たまに球団が遠征にやってくる。一ヶ谷駅には新幹線が止まる。









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