純情戦士ミラキュルン




第二十二話 外道に堕ちた男! 猛襲のファルコ!



 だから、今は収まるべき場所を見つけられた。
 外回りの仕事を終えたファルコは、灰皿スタンドが寄り添っているベンチに腰掛けて、タバコを蒸かしていた。 仕事中も気になっていたので病院に付き添ったパンツァーの携帯電話に掛け、ヴェアヴォルフの容態を聞いた。 背中を斜めに切り裂かれていたので筋肉が切断され、肩胛骨と背骨にも傷が及んでいてヒビが入っていたらしい。 広範囲の傷なので出血もひどく、病院に到着するまでの間に自力で巻いた包帯に血が染みて真っ赤に染まった。 ヴェアヴォルフはかなり無理をしていたようで、病院に到着するや否や、座り込んだまま動けなくなってしまった。 パンツァーがヴェアヴォルフを担いで処置室まで運ぶと、ヴェアヴォルフではなくパンツァーが医師から怒られた。 怪人でなかったら死んでますよ、と医師から散々言われ、縫合と治療のために当分入院することになったそうだ。

「若旦那の強情っ張りは誰に似たんでやんすかねぇ」

 ファルコは独り言を漏らし、クチバシの隙間から紫煙を漏らした。

「世界征服しようにも、死んじまったらどうしようもねぇでしょうに」

 先々代の暗黒総統ヴェアヴォルフである、ヴォルフガングがそうだった。彼の死因は古傷による病だった。 大戦中に前線で被弾した弾丸を心臓の中に止めたまま、生き長らえていたが、鉛の毒に侵されてしまったのだ。 摘出しようとすれば出来る位置だったのだが、ヴォルフガングは摘出手術を行うことを頑なに拒んで放置していた。 その結果、後二百年は生きられるだろうと言われた寿命を縮め、人狼族の末裔の最後に不相応な死を遂げた。 ヴォルフガングの死を知った時は、ただ愚かだと思ったが、後から考えてみればそれで良かったのかもしれない。 自分の血を引く子や孫が死に往く様を見つめて終わりの見えない人生を生き長らえるよりも、余程幸せに思える。 それに、ヴォルフガングは病弱で伏せがちだった妻の冴とは早くに死に別れているから、寂しくもあったのだろう。

「さあて」

 ファルコは灰皿スタンドにタバコを押し当てて火を消すと、吸い殻を投げ込んだ。

「そろそろ戻りやすかねぇ」

 カバンを抱えたファルコはベンチから立ち上がり、丁度良い日除けになっている街路樹の下から歩道へと出た。 歩き出そうとしたが、足を進められなくなった。数十キロ先でも楽に見通せる目に、異様な姿が掠めたからだった。 昼下がりの街並みには馴染まない銀色の騎士だった。奴だ、と確信したファルコはカバンを銜えて羽ばたいた。 ヴェアヴォルフは戦うなと言ったが、ここで戦わなければ、ファルコは居心地の良い世界を失ってしまいかねない。 砂埃を巻き上げながら上昇して、周囲の建物をぐるりと見回した。だが、今し方視認した銀色の騎士は消えていた。 そんなはずはない、とファルコが目を凝らしていると、ちかり、と頭上から注ぐ太陽光線が何かに反射して光った。

「上か!」

 ファルコはすぐさま身を反転させ、両翼を上空に突き出した。

「ファルコンブラスト!」

 圧縮した空気弾を衝撃波と共に発射したファルコは、その勢いで若干落下したが羽ばたいて高度を取り戻した。 眩しすぎて輪郭すら見えない太陽に向かっていった圧縮空気弾は、何者かが光を翻すと両断され、四散した。 人工の暴風にマントを乱されながら、斬撃の主は十字架が付いたバトルマスクを下向けてファルコを見下ろした。

「猛禽類だけあって、目だけは良いようだな」

 銀色の騎士は十字架の柄が付いた聖剣を掲げ、低く落ち着いた声を発した。

「てめぇがセイントセイバーってぇ野郎かい」

 ファルコが威圧的に睨むが、セイントセイバーは誇らしげに名乗った。

「そうだ。私こそが神に選ばれし正義の使徒、神聖騎士セイントセイバーだ!」

「若旦那からは手ぇ出すなっちゅう命令を受けたが、生憎俺は堪え性がねぇもんでね!」

 ファルコは戦闘の邪魔になるカバンをジャール本社の方向に投げてから、両翼を広げた。

「猛襲のファルコの実力、思い知るがいいってことよ!」

「上を取られておいて、何が猛襲だ」

 白く鮮烈な逆光の中、セイントセイバーは切っ先をファルコに向けた。

「私は貴様の手の内など見切っている。急降下による体当たりしか能のない怪人が、大口を叩くな」

「馬鹿なのはそっちでさぁな!」

 ファルコは一度羽ばたき、二度羽ばたき、翼が孕む風の量を増大させて加速しながら上昇した。

「俺は怪人よ! そんじょそこらの鳥たぁレベルが違うんだよ!」

「何も違わぬ。鳥は鳥でしかない」

 セイントセイバーは前傾姿勢になると、空中を蹴るようにしてファルコ目掛けて落下を始め、聖剣を構えた。

「その穢らわしき命、我が聖剣にて浄めてくれよう!」

「願い下げでさぁ!」

 加速し、加速し、加速したファルコは弾丸と化した。生物の範疇を越えた力、それこそが怪人だ。ファルコが 有する能力は、猛禽類に相応しい力強い飛行能力と、自在に風を発生させて操れる能力だ。それを応用して 圧縮空気弾やカマイタチに似た攻撃を行えるが、真骨頂は己を風に乗せて運ぶことにあった。頑丈な体は、それ自体が 強力な武器だ。鋭いクチバシは、分厚い鉄板ですら破るほどの硬さを持っている。そのクチバシを全速力でぶつければ、 いかにヒーローであろうと無傷では済まない。そう考えた末の攻撃だった。
 一秒にも満たない時間の中、落下しながら目前に迫ってくるセイントセイバーは的確な位置に聖剣を横たえた。 加速に次ぐ加速で方向転換が一瞬遅れたファルコにセイントセイバーは擦れ違い、鮮やかに聖剣を振り抜いた。

「つぇあっ!」

 ファルコの視界の隅に風切り羽根が何枚も舞い、セイントセイバーは誇らしげに述べた。

「羽根を数枚失うだけで、貴様は空から蔑まれる。だから、貴様は鳥に過ぎんのだ」

「……翼ごと切らねぇのは、俺に気を遣ったつもりですかい?」

 ファルコは片翼で姿勢を維持しようとするが、体重を支えきれずに落下し始めた。

「いや」

 セイントセイバーは落下しつつあるファルコを見下ろしていたが、再度急降下した。

「手元が狂っただけだ」

 銀の矢が太陽から放たれた。ファルコは風を操ろうとするが、風切り羽を切り落とされた動揺に負けてしまった。 風さえまともに作れれば地面への激突は免れ、上手くすればセイントセイバーの体も煽れるが集中出来なかった。 そうこうしているうちに、住宅街が近付いてくる。そして、セイントセイバーとの距離も縮まり、太陽光も陰ってきた。

「セイントッ!」

 セイントセイバーが必殺技を繰り出そうと聖剣を振り上げた、その時、羽根の弾丸が聖剣を弾いた。

「フェザーブレッド!」

 これは、とファルコが目を剥くと、背中が何者かの手に支えられ、制動を掛けられた頭ががくんと揺れた。 背後を見やると、そこには忘れもしない彼女がいた。二十八年分の体格の成長を遂げた、ピジョンレディだった。

「お前は……」

 ファルコが驚くと、ファルコを抱えたピジョンレディはセイントセイバーを見上げた。

「戦う意志のない怪人を襲うなんて、あなた、それでもヒーローって言えるのかしら?」

「誰かと思えば、スーパーヒーローの御夫人か」

「今、ここで大人しく帰れば、見逃してあげるわ。でも、これ以上、悪いことを繰り返すというのなら」

 ピジョンレディは右手を翻し、どこからともなくルビーのような赤く透き通る刀身のフルーレを生み出した。

「このピジョンレディが、清く正しい愛を教えてあげるわ」

「愛などただの幻想だ、この世にあるのは絶対的な正義だけだ!」

 セイントセイバーはピジョンレディに狙いを変えて飛び出したので、ピジョンレディはファルコを抱えて急降下した。 思い掛けない事態に戸惑ったがファルコはピジョンレディの腕を振り払えず、彼女に身を任せることにした。 驚異的な速度でありながら滑らかに方向を変えたピジョンレディは、住宅街から離れた広大な河川敷に降りた。 ファルコを解放したピジョンレディは、すぐさまハイヒールで砂利を蹴って上昇し、セイントセイバーと切り結んだ。

「子供みたいなことを言うのね、あなたは!」

 ピジョンレディはセイントセイバーの聖剣を押し返し、再び迫ってきた白銀の刃と紅い刃を鬩ぎ合わせた。

「この世界は乱れている! 故に、誰かが正さねばならんのだ!」

 セイントセイバーはピジョンレディに斬り掛かるが恐ろしいほどの身軽さで避けられ、更には頭部を蹴られた。

「ぐっ!?」

 前のめりになったセイントセイバーが呻くと、ピジョンレディは騎士の顎の下に剣先を当てた。 

「あなたが正した世界で幸せなのは、あなた一人だけよ。そんなのは、正義とは言えないわね」

「ならば、貴様の正義とは何だ! ピジョンレディ!」

「大親友の友達を守ることよ!」

 ピジョンレディはセイントセイバーの顎から剣先を下げ、その胸元にフルーレを突き立てんと振り翳した。 紅い切っ先は真っ直ぐに心臓を狙い、決着が付くかと思われたが、ファルコは片翼を上げて圧縮空気弾を撃った。

「ファルコンブラストォオオオオッ!」

 凄まじい暴風を凝縮させた凶暴な弾丸はピジョンレディの背を抉り、ピジョンレディは仰け反った。

「きゃあっ!?」

「貴様、血迷ったか。あの女は貴様を救おうとしていたのだがな」

 セイントセイバーは動きの鈍ったピジョンレディに一撃を加え、叩き落としてから、ファルコの前に着地した。

「勘違いするんじゃねぇや、俺はてめぇを助けたつもりもなきゃ、あの女を味方だと思ったこともねぇ!」

 ファルコは荒く伸びた雑草を踏み分けて、セイントセイバーに近付いた。

「てめぇを倒すのは、怪人じゃなきゃ意味がねぇっちゅうことでさぁ!」

「つくづく、怪人とは愚かだ。そして、哀れだ。今こそ、高潔なる慈悲を与え給わん!」

 ざ、と雑草を蹴散らして飛び出したセイントセイバーは、ファルコの懐に滑り込み、躊躇なく聖剣を貫通させた。

「……く、ぁ」

 胸部の羽根が赤黒く染まり、雑草に滴り落ちる。胸を貫いた聖剣が引き抜かれると、ファルコは膝を折った。

「死を望め。さすれば、神は罪を赦すだろう」

 血に染まった聖剣を鞘に収めたセイントセイバーは、ピジョンレディを一瞥した。

「スーパーヒーローだと聞いていたが、怪人に手を貸すとはな。私は貴様を怪人と同等に軽蔑しよう」

 セイントセイバーが飛び去ると、川面の水の匂いを塗り潰す自身の血臭を感じ取ってファルコは呻いた。 傷は深く、出血は止まらない。起き上がろうとするが、負傷のショックと貧血のためか膝が笑って力が入らない。 ぜいぜいと呼吸を荒げるが、酸素が脳に回ってこなかった。この様子では、肺もいくらか損傷したかもしれない。

「……なあ」

 ファルコが息も絶え絶えに声を掛けると、ピジョンレディはマスクを拭ってから立ち上がった。

「いいのよ、気にしないで。背中を攻撃されたのは初めてじゃないし、あの程度じゃ痛くも痒くもないわ」

「あんた、鳩ちゃんの友達なんだろう」

 ファルコが目元を緩めると、ピジョンレディはファルコの傍に膝を付いた。

「ええ、そうよ」

「すまねぇが、言伝を頼まれちゃくれねぇか」

 ファルコはピジョンレディの白いバトルマスクを見上げ、二十八年前に言いそびれたことを言った。

「俺は、鳩ちゃんの友達になれて本当に嬉しかった。けどよ、俺は道を踏み外しちまって、ろくでもねぇ人生を送ってきた。 とてもじゃねぇが、鳩ちゃんに顔向け出来ねぇ。だから、俺のことは忘れてくれって頼んじゃくれねぇか」

「そんなこと、伝えられないわ。だって、彼女もあなたと友達でいたいと願っているもの」

 ピジョンレディはファルコの傷口に手を当て、自己再生能力を解放して作用させながら穏やかに話した。

「彼女は、鳩子は少し普通ではなかったの。だから、本当に友達と思えるような友達はいなかったわ。友達になろうと してくれた子はいてくれたし、なろうともしたけど、本当に心を開くことは出来なかったの。深く付き合うようになれば、きっと 傷付けてしまうと思っていたから。けれど、やっぱり寂しかったから、あなたが遊びに行っている廃工場に遊びに行ったのよ。 あなたとなら、本当の友達になれると思ったから」

 ファルコの頭を膝に載せたピジョンレディは、バトルマスクの下で目を伏せた。

「本当は、あの日、鳩子はあなたに秘密を明かそうとしたの。別れてしまうのが寂しかったから、あなたの心に楔を刺そうと したのよ。けれど、私と怪人が戦いになってしまって、鳩子はあなたに会えなかった。きっと、鳩子には罰が当たったのよ。自分が 寂しいからって、あなたを独占しようとしたから」

「俺ぁ……」

 それこそ、隼之介が望んだことだ。ファルコは言いかけたが、言葉を出せる力もなく、クチバシを閉じた。

「私はね、友達を守るためにヒーローになったのよ。人間だろうが怪人だろうが何だろうが関係なしにね」

 ピジョンレディはファルコに顔を寄せ、ルビーに似たゴーグルの奥で目を細めた。 

「鳩子の秘密は全て明かせないけど、一つ、教えてあげるわ。鳩子の初恋の相手はあなたなのよ、隼ちゃん」

「くえぇっ!?」

 ファルコが声にならない声を上げると、ピジョンレディは温かな手でファルコの傷口を撫でた。

「流れ出た血は元に戻せないけど、やれることはやるわ。今は眠りなさい、病院へ送ってあげるから」

 ピジョンレディから注がれる温もりと力を感じたファルコは懐かしさと共に後悔に襲われ、涙が滲み出た。 あの時、鳩子との再会を滅茶苦茶にしたのはピジョンレディでも怪人でもなければ、隼之介自身に他ならない。 鳩子と会ったら次はいつ会えるか解らないから、寂しさと辛さのせいから張らなくてもいい意地を張ってしまった。 だから、別れの言葉も言えなかった。そのせいで、今日再会した時も心から鳩子に再会したことを喜べなかった。 それは、今の自分も恥ずかしいと思っていたからでもある。けれど、ファルコは、やはり骨の髄まで怪人なのだ。 そうでなければ、ピジョンレディを背後から撃たない。早く戻らなければ、とファルコは思ったが瞼は重たく降りた。
 優しい追憶の中では、幼い鳩子が笑みを向けてくれた。




 その日の夕方。ミラキュルンは、ジャール本社を訪ねた。
 変身せずに行こうかと思ったが、やはり変身しないと勇気が出ない。階段を上って社名が入ったドアを叩くと 返事が聞こえたので、ドアを開けて中を覗いた。すると、案の定、取締役の席にはヴェアヴォルフの姿はない。 外回りに行っているのか、四天王もファルコが欠けていた。ミラキュルンは社内に入ってドアを閉め、一礼した。

「失礼します。お忙しいところをすみません」

「いいのよぉん、一段落したところだからぁ」

 アラーニャはパソコンの前から離れると、ミラキュルンの前にやってきた。

「それでぇ、本日はどんな御用時かしらぁ? ファルちゃんからの連絡が伝わったからぁ、来たんでしょうけどぉ」

「え?」

 ミラキュルンはハート型のゴーグルの下で目を丸めてから、菓子折の入った紙袋を掲げた。

「あの、私、ヴェアヴォルフさんのお見舞いにって思って来たんですけど、ファルコさんがどうかしたんですか?」

「……ん?」

 レピデュルスは椅子を回し、ミラキュルンに向いた。

「となれば、あなたは若旦那がセイントセイバーに斬られた様を見ておられたのですかな?」

「あ、いえ、見てはいませんけど、その、偶然通り掛かって……。だから、その、心配で……」

 ヒーローに変身していたから付き合っていたとは言えまい。ミラキュルンが口籠もると、パンツァーが首を捻った。

「まあ、そういうことなら解らねぇでもねぇが、ファルコの野郎はとっくに仕事は上がってるはずなんだが」

「連絡してみれば解るだろう」

 レピデュルスは自分の机の電話から受話器を取り、ファルコの仕事用携帯電話の番号を押した。

「出ないな」

「じゃあ、私物の方はどうかしらぁん」

 今度はアラーニャが掛けてみるが、ファルコの私物の携帯電話にも応答はなかった。

「やっぱり出ないわねぇん」

「そういえば、さっき飛んできた時に、このビルの屋上にカバンがあったのを見つけましたけど、もしかしてあれって ファルコさんのものですか?」

 と、ミラキュルンが上を指すと、パンツァーは突然立ち上がった。

「あの野郎、まさかやりやがったのか!?」

「いや、まだそうと決まったわけではないが、しかし……」

 レピデュルスも腰を浮かせると、アラーニャは電話を一度切ってから別の番号を押し始めた。

「とりあえずぅ、心当たりには全部連絡してみるわぁ」

「あの、一体何があったんですか?」

 ミラキュルンが恐る恐る尋ねると、レピデュルスは彼女に背を向けた。

「すまないが、今日のところは帰ってくれまいか。それと、今週も来週も恐らくは再来週も決闘は中止だ」

「それ、もしかして、ヴェアヴォルフさんが背中を斬られたことと関係が」

「あったとしても、君には関わりのないことだよ、ミラキュルン」

 レピデュルスは受話器を握り締め、強く言い切った。

「これは、我ら怪人の戦いなのだから」

「……御邪魔しました」

 ミラキュルンは菓子折をその場に起き、足早にジャールを出た。ジャールで何かまずいことが起きている。 けれど、まるで見当が付かなかった。セイントセイバーと関係があるらしいが、どんな関係かもさっぱり解らない。 出来ることなら手を貸したかった。ヒーローと怪人ではあるが、ミラキュルンはジャールの皆と仲良くしたいと思う。 しかし、彼らにはれっきとしたプライドもあれば力もある。敵対している相手の力など借りたいとは思わないだろう。 ミラキュルンはマントを広げて加速し、彼らの力になれない悔しさや不安を振り切るように夕暮れの空を飛んだ。
 いつになく、嫌な予感がした。





 


09 9/24