フィリオラ・ストレイン 「そりゃ、まぁ、そうですけど…でも」 主人公。竜族の末裔で、魔導師。十八歳。先祖返りしており、短いツノが生えている。 気弱で臆病だが、魔導師としての腕は確か。霊媒体質だが霊感は皆無で、何も見えない。 ギルディオスを小父様と呼んで慕っている。紅茶とお菓子が好きで、レオナルドが苦手。 ギルディオス・ヴァトラス 「そういうことはな、本気でやばい時に言え」 生前は傭兵の重剣士。現在は、自分の鎧に内蔵した魔導鉱石に魂を宿して動いている。 五百年以上過ぎても中身はなんら変わることはなく、短絡的で直情的。通称ニワトリ頭。 甘やかしてきたフィリオラを、突き放す機会を窺っている。刀剣が好きで、爬虫類が嫌い。 ブラッド・ブラドール 「気付けよな、ばーか」 ハーフヴァンパイアの少年。十歳。父親が殺された真相を探るため、旧王都にやってきた。 生意気で口が達者で、大人ぶっている。魔力が弱ると、コウモリに変化してしまう。 経験が浅いため、他者から血を飲むのが下手。フィリオラのお菓子が好きで、警察が嫌い。 レオナルド・ヴァトラス 「正論だが、落ち度があるぞ」 ギルディオスの末裔で、国家警察刑事。二十六歳。旧王都の連続殺人事件を追っている。 気が強い上に口が悪く、血の気が多い。念力発火能力を持っており、精霊魔法も扱える。 リチャード・ヴァトラス 「敵にだけは回したくないが、味方にも付きたくないね」 ギルディオスの末裔で、魔導師。三十歳。魔法大学の講師で、魔導師協会役員でもある。 物腰は穏やかだが、腹の底はどす黒い。フィリオラの師匠で、現在は現役から退いている。 キャロル・サンダース 「私、魔法使いになりたいんです!」 フィリオラの住む共同住宅の二階の住人。十四歳。純粋で、何事にも努力を惜しまない。 魔導師になるため、フィリオラに弟子入りする。雇い主であるリチャードに、憧れている。 サラ・ジョーンズ 「あら。その子は、お客様ですか?」 フィリオラの住む共同住宅の管理人。三十二歳。穏やかな婦人で、何事にも動じない。 人外ばかりの住人達に分け隔てなく優しく、人当たりが良い。花の手入れが趣味。 フィフィリアンヌ・ドラグーン 「相応の態度を取ってやったまでだ」 前作の主人公。ハーフドラゴンの魔法薬学者で、五百七十六歳。無表情で理屈っぽい。 外見は十二歳ほどの少女。現在は隠居生活をしている。ワインと研究と読書が好き。 伯爵 「しかしニワトリ頭、やはり貴君はニワトリ頭であるな」 フィフィリアンヌが作ったスライムに、魂が宿った物体。常にワイングラスに入っている。 自称貴族で、本名はゲルシュタイン・スライマス。饒舌と高笑いを好む、掴み所のない存在。 グレイス・ルー 「言っちゃったら、先のことが読めちゃって面白くねぇじゃん」 呪術師。年齢不詳。外見は二十代後半の好青年で、三つ編みで丸メガネを掛けている。 趣味は悪事で、策謀と暗躍が好き。過去に愛した少女の生まれ変わりと結婚し、妻子持ち。 ロザリア・ルー 「斬撃よりも銃撃の方が、余程美しいと思わない?」 グレイスの妻で、元警察官。二十九歳。グレイスがかつて愛した少女、ロザンナの転生後。 拳銃を乱射することを好み、破壊と射撃を快感とする。一歳になる娘、ヴィクトリアがいる。 レベッカ・ルー 「御主人様ー、今日はどこへ行かれるんですかー?」 グレイスによって造られた、人造魂で動くストーンゴーレムの一種。外見は八歳ほどの少女。 グレイスに忠実な傀儡で、主に従うことを己の意義としている。舌足らずな喋り方をする。 アルゼンタム 「超サイコー! 超イケテルゥウ! 超イカスゥウウウウッ!」 銀の仮面を被り銀のマントを羽織った、銀色の人型魔導兵器。旧王都を騒がす殺人狂。 気の触れた笑い声を上げながら現れる。理性はほとんどなく、常に本能だけで動いている。 ダニエル・ファイガー 「何事も最初が肝心だろうが」 共和国軍異能部隊副隊長。三十四歳。念動能力を有しており、ある程度なら魔法も使える。 生粋の軍人で冷徹な男だが、根は感情的。レオナルドと面識がある。無類のネコ好き。 フローレンス・アイゼン 「だぁってー、ずっと隊長がいなくて寂しかったんだもん」 共和国軍異能部隊隊員。二十五歳。精神感応能力者だが、部隊の魔導技師でもある。 機械を何よりも愛しており、機械いじりとヴェイパーの改造が趣味。活発で落ち着きがない。 ヴェイパー 「あたらしい、なかま。あたらしい、ともだち」 共和国軍異能部隊所属の人型魔導兵器。大型の蒸気機関式で、人造魂で動いている。 戦闘時には、フローレンスの精神感応で操縦される。自我があり、純朴で素直な性格。 |
魔導鉱石 魔力を帯びた鉱石。宝石のようなものから、金属まで様々な種類がある。 中でも希少な宝石系は魔力が高いため、純度と大きさによってはかなりの値段になる。 魔力測定器 魔導鉱石の特性を利用した、魔導機械。大振りの懐中時計のような外見をしている。 測定方法は至って簡単で、検査対象の相手に持たせるだけで測定が出来る。 内蔵された魔導鉱石に持った者の魔力が吸収・測定されると、その量に従って文字盤の 針が動く仕組みになっている。魔力のない者が持つと、当然ながら微動だにしない。 魔導拳銃 魔法陣と魔力を込めた魔導鉱石・鉱石弾を弾薬とした、回転弾倉式拳銃型の魔法発動機。 通常の魔導砲は一種の魔法しか放つことが出来ないが、弾倉を回転させることにより、 数種の魔法を放つことが可能。だが、構造が厄介であるため、一つ作るのにも時間と金が 掛かってしまう。鉱石弾に大きさがないせいで、充填魔力が足りないと威力が出ないという、多大なる欠点もある。実戦向きではなく、どちらかといえば趣味の武器。 魔導兵器 本来は魔導技術で作った機械を指す言葉だが、昨今では魔導技術で動く人造人間を指す。 機械式、無機式、生体式など様々な種類があるが、軍事用では機械式が主流である。 魔導兵器の核となる人造魂、或いは死者の魂を維持するのが難しいため、需要は少ない。 登録制になっており、共和国政府に登録しなければ魂現存と稼働の許可を得られない。 死者の魂の場合は魔導兵器一種、人造魂の場合は魔導兵器二種、として申請、登録する。 魔導師 近代では衰退の一途を辿っている魔法技術を有し、その技術を生業にしている者の総称。 一般的には魔物退治や魔法薬の調合と販売などを請け負っているが、希に戦闘も受ける。 共和国国家が制定した法規により、免許制となっており、魔導師と名乗り商売を行うには 魔導師免許を取得しなければならない。魔法や呪術の無免許商用は、犯罪行為である。 ちなみに、呪術師や召喚術師なども魔導師として呼称され、昨今では区別されていない。 竜族 高い知能と魔力を持った、巨体の種族。二本のツノと翼、飛行能力があることが特徴。 寿命は人間より遥かに長いが、その弊害なのか繁殖能力は低く、絶対数は限られている。 高位の者は人間に擬態することが可能だが、その姿を維持するにはかなりの魔力が必要。 人類文明の近代化と共に絶滅への道を辿り、現在では数えるほどしか生存していない。 竜王朝や竜王都は、過去に起きた帝国との戦争で既に滅びてしまっている。 共和国 三百年ほど前から勢力を増した国家で、王国と帝国の両国を吸収し国土を拡大させた。 急激な経済成長と共に軍事力を大幅に強化して、近隣諸国に睨みを利かせている。 だがその内部では貧富の差が激しく、貧民街へと流れざるを得ない住民も少なくない。 旧王都 王国のかつての王都だが、栄華は失われている。工場街に囲まれ、排気に汚れた街。 地方工業都市の一つとなっているが、治安が良くないために住民は減少している。 国家警察 共和国国家の警察組織。軍よりも大分歴史が浅いため、権力もまだ弱い部分がある。 共和国軍 共和国の保有する軍隊。魔導技術と近代兵器を融合させた作戦を得意としている。 異能部隊 共和国内に居住する特殊能力者、或いは高魔力者を集めて組織された特殊戦闘部隊。 敬遠されがちな特殊能力者達が生きる場所として知られているが、内情は隠されている。 魔導師協会 共和国政府配下の組織。魔導行為で商用を行う魔導師は、入会を義務付けられている。 魔導師免許試験を行っており、合格者に魔導師免許を交付するのも魔導師協会である。 本部は共和国首都にあり、魔導師免許試験場と隣接している。共和国王国地方の一都市、 ヴェヴェリスに支部があり、支部では魔法大学の管轄と魔導文化の研究を行っている。 通貨 単位はネルゴ。一ネルゴは七円程度。一ネルゴ銅貨、十ネルゴ銅貨、五十ネルゴ白銅貨、 百ネルゴ銀貨、千ネルゴ札、一万ネルゴ札とある。千ネルゴで金貨一枚とほぼ同等。 |