Short Story




魔法天使ホーリーヘルマグナム



戦闘準備をしなくては。


オレの内蔵無線に、基地本部を介して長官からの命令が届いている。とうとう来やがったか。
遂に、火星革命軍が月面基地に侵攻した。地球侵略への足がかり、前線基地にしようというつもりだ。
月面基地を奪取されたら、火星政府が推し進めている地球植民地化計画が遂行されてしまうだろう。
そんなことになってしまっては、地球は乱れてしまう。せっかく成し得た平和が、崩されてしまう。
それらを阻止するために、オレ達は月へ戦いに行く。地球防衛組織、アースとしての役割を果たすのだ。
メンテナンスドッグに入っていたオレは、繋がれていたケーブルをジョイントから吐き出した。整備完了。
基地全体に出動を知らせるアラームが鳴り響いていて、緊張感もばしばしだ。この空気、大好きだ。
このメンテナンスルームから、オレの仲間達が駆け出していく。それぞれに武器を取り、通路へ向かっている。
オレも出動しなくては。シャトルに搭乗して月へ向かい、一刻も早く、月面多国籍軍に参加しなくてはならない。
メンテナンスドッグを覆っている強化パネルを開くと、メンテナンスルームはアラームランプの赤に染まっている。
さて行こうかと、足を踏み出した。銃弾の詰まったボディが重たく、注油したばかりの膝が軽く軋む。


「ついに見つけたピン!」


オレは反射的に、音源へ向けて両腕を突き出した。がしゃり、とアーマーを開いて銃身を出す。
空になったメンテナンスドッグの隙間に、奇妙な物体が挟まっていた。銃口を向けられているくせに、笑っている。
丸っこいピンクの体に円らな瞳、小さなクチバシに平べったいヒレの付いた足。ペンギンみたいだが、違う。
頭の上におかしな輪が浮かんでいるし、それ以前に浮いている。床から四十八センチ六ミリの位置に。

「うごぉわっ!」

思わず、オレは乱射した。どんどんどんどんどん、と心地良い発射音が響き、じゃらじゃらと薬莢が散る。
びしびしっ、とメンテナンスドッグのパネルにヒビが走り、床や壁が砕ける。硝煙が室内に満ち、視界が悪くなった。
ひとしきり連射した後、オレは弾切れに気付いた。がちん、と腕の中でハンマーだけが叩かれた。
オレは舌打ちし、右腕に残った空薬莢を足元に吐き出させた。スコープを凝らし、あの物体のいた位置を睨む。
熱反応、あり。生体反応、ありやがる。敵機損傷、確認出来ず。なんだこの物体、ていうか生き物か。
換気システムが働き、オレの硝煙が通気口に吸い込まれていく。非常灯が灯り、室内が少し明るくなった。
あの物体は、にんまりと笑っていた。ペンギンもどきは、首から変なものをぶらさげている。
丸くてピンクで羽根が付いていて、装飾がごてごてで、中央にハート型の宝石がある。…いわゆる、コンパクト。

「無駄無駄無駄ピン、人間界の兵器は天界の住人であるオイラには効かないんだピン!」

「はぁ?」

オレは、声が裏返ってしまった。見た目も電波なら、言動も電波だなこの生き物は。もう一度撃ってやるか。
左腕を上げ、じゃこんと銃口を出す。炸薬二倍の強化弾を装填し、バレル内に滑り込ませた。準備完了。

「なんで壊れねぇんだよ、このペンギンロボット」

「だーから、オイラは機械じゃないピン! 天界より遣わされた、魔法天使のサポート役だピン!」

「まほーてんし?」

はっ、とオレは鼻で笑ってやった。この機械革命時代に何を言うんだ、こいつは。

「そんなもん、萌え系アニメの話だろ。オレには関係ないどころか、ああいうのって嫌いだ」

「嫌いでもなんでもやるんだピン!」

「誰が」

「君に決まっているピン。地球防衛組織アースのヒューマノイド、ヘルマグナム!」

ちみっこい手を突き出し、ピンクの変な物体はオレを指し示した。

「君が魔法天使となって、天界と人間界を救うんだピン! 神に選ばれし戦士なんだピン!」

「なんでオレの名前を知ってるんだ? 確かにオレはヘルマグナムだが、てめぇなんざ知らねぇ」

じゃきり、とオレは物体のドタマに銃口を押し当てた。ああん、と物体は顔を逸らす。

「天界の神様に教えてもらったんだピン。君のことならぜーんぶ知ってるピン」

「機密漏洩で吹っ飛ばすぞこら」

「はっはっはーん。吹っ飛ぶのはこの部屋だけで、オイラは吹っ飛ばないピン」

ほーぅれ、と物体はオレが撃ち抜いた壁を指した。中のケーブルがはみ出、なかなか無惨に壊れている。
物体はビー玉のような目をにやりとさせ、姿に似合わず狡猾な表情になる。腹黒そうだなおい。

「このままじゃー、謹慎処分にされちゃうかもしれないピーン。君のだーい好きな戦いも出来なくなっちゃうピーン」

「ピンピンうるせぇ、てめぇはノミか! つうかペンギンならペンだろペン!」

「細かいことは気にしないピン」

「なんか気になるんだよ。で、どうしてオレが謹慎なんだよ」

「メンテナンスルームを直さないとー、アサダ長官に首を切られちゃうかもピンよー。それでもいいピンかー」

「…それは、まずい」

なんで長官のことを知ってんだとか、どうして事態が悪化してんだとか、突っ込むのを忘れてしまった。
今更ながら、オレはどえらいことをしたと自覚した。やべぇマジやべぇ、基地を壊したんじゃ処分を受けちまうよ。
処分が解雇だったらどうしよう。特殊組織から解雇されたヒューマノイドなど、行き着く先は決まっている。
民間用にするには武装が多すぎるから、過激派に拾われて使い捨てられるのがオチだ。それは嫌だ、絶対嫌だ。
いい加減に出動しねぇとシャトルが出ちまう、とかも考えていたが、緊急度はこっちの方が高い。
近代ロボット三原則が適応され、自己を守らなければならない、に引っかかったからだ。頭ん中がうるせぇ。
機能維持とか存在価値とかがぐるぐるしだして、思考の優先順位が切り替わった。戦闘より、こっちが優先だ。

「おい、てめぇ」

「オイラはピンピンだピーン」

「良い考えがあるピーン。君が魔法天使になれば、魔法でメンテナンスルームの修復が出来るんだピーン」

「名前なんざどうでもいい。その、あと、えー、なんだ」

いざ発声しようとすると、どもった。改めて考えなくても恥ずかしいぞ、恥ずかし過ぎるぜ魔法天使。
ピンピンという捻りのない名を名乗った謎物体は、首から提げていた羽根付きコンパクトを掲げてみせた。

「さぁ、ヘルっち! このホーリージェムストーンを受け取って、ホーリー変身だピン!」

「なんだよそのヘルっちって。ホーリー変身もそうだが、センスねぇなおい」

「とやかく言うなピン。文句なら、ホーリー変身と名付けた神様に言うピン。天罰が下ると思うピンけど」

「なにそれー、超最悪ー。この世って、そんなセンスなしの神が守ってたわけー?」

「頭悪そうな語尾伸ばしはやめるピン。でもその通りだピン、この人間界はセンスのない神が守っていたピン」

「なんでそこだけ過去形なんだよ」

「神様がピンチだからだピン。魔界から邪悪な力が迫っていて、神様から力を奪っているんだピン」

「無能だなおい。神のくせに」

「そういうことは突っ込んじゃいけないピン。お約束だピン」

「何のお約束だよ」

「というわけで、ヘルっちは魔界からやってくるデビリンと戦い、ついでに魔王も打ち倒して、神様を助けるピン!」

「勝手に決めんじゃねぇ! しかもなんだよ、魔王はついでかよ!」

普通、そっちが本命だろ。オレはヘルっち呼ばわりに怒るのも忘れ、突っ込んでしまった。
はっはぁーん、と変な笑い方をしたピンピンは、ハート型に白くなっている胸っぽい部分を張った。

「ヘルっち、主人公らしい突っ込み体質だピン。変身魔法物の主人公は、何がなくても突っ込みなんだピン」

「オレはどちらかってーと、朝八時半の変身魔法アニメより七時半の特撮に出てぇ」

「でもヘルっちは、ヒーローじゃないピン。名前と外見からして、後半で巨大化して倒される単発の怪人だピン」

「怪人じゃねぇ。ヒューマノイドだ」

「似たようなものピン」

それで、とピンピンは浮上した。オレの目線まで浮かぶと、羽根付きコンパクトを突き付ける。

「変身する気になったピンかー? 変身しないと、どうなるか解ってるピンよねー?」

「脅すのかよ」

「そりゃ脅すピン。君を魔法天使に出来なければ、オイラの首も危ういんだピン」

「お前、天界から雇われてんのか?」

「時給六百五十円だピン。他の天使がやりたがらないから、巡り巡って押し付けられた仕事なんだピン」

「うわドライだなー、天使。気持ちは解るけど。ていうか日本円なのか、天界の通貨は」

「安い給料と時給制には突っ込まないのかピン」

「突っ込んで欲しかったのか?」

「あからさまな突っ込みどころを見逃すとは、君もまだまだピンね、ヘルっち」

「いやオレは主人公でも芸人でもねぇし。ていうか、さっさと変身させてくれ。ここを直して月に行かねぇと」

「変身してメンテナンスルームを元に戻しても、君は月には行けないピン」

ほぅーれ、とピンピンはモニターを指した。オレは少々怖かったが、煌々と輝く平面モニターを見上げた。
四基のエンジンから炎を噴出させ、シャトルは月へ飛び立っていった。その余波が、地響きとして伝わっている。
内蔵無線には、シャトルのオペレーターからのメッセージが残っていた。ありがたいやら、情けないやら。
なんで来なかったの、この腰抜け。後続のシャトルはもうないのに。見損なったわマグナム。女の、高い声が響く。
忘れもしない、この声は。一週間前に告ってめでたく彼女になった、オペレーターボットの。

「な…ナヴィア…」

やべぇよやべぇよマジやべぇ。このままじゃヒューマノイドとして、いや、男としての沽券に関わる。
急いで月に行かなくては。戦場の位置は解っている、シャトルを強奪してでも到着して、戦わなくては。
や、待てよ。魔法でメンテナンスルームが修理出来るっつーことは、もしかしたらもしかしなくとも。

「おいピン!」

「略すなピン。たった四文字の名前を二文字に略したところで、意味はないと思うピン」

「その、変身して魔法を使えば月に行けるよな!?」

「ヘルっちは人間でないから、やろうと思えば出来るかもしれないピン」

「ピン、さっさと変身させろ! オレは魔法で月に行く!」

オレはしゃがみ、ピンピンに掴み掛かる。体長五十センチもないペンギンもどきは、にたりと笑った。

「そうこなくてはピン。オイラも生活掛かってるピン、ヘルっちが変身してくれなくてはお給金がもらえないピン」

ピンピンは首に下げていた可愛らしい羽根付きコンパクトを、ぽいっと放り投げた。結構ぞんざいだな、おい。
オレはそれを受け取り、眺めてみた。人間の手のひらにすっぽり入る大きさで、全体的な色はピンクと白。うげ。
火薬の反応はないので、手榴弾ではなさそうだ。裏返してみると、四角い溝が付いていた。

「…電池蓋?」

「税込みで四千九百八十円だピン」

「高ぁ! こんなにちゃちいのに?」

「ちなみに中に入っているのはテスト用電池だから、すぐに切れるピン。単四電池は別売りだピン」

「ボタン電池にしろよ。効率が悪いな」

あとで改造してやる。そう思いながら、オレはコンパクトを開いた。プラスチックくさい、ハートの宝石がある。
コンパクトの蓋の裏には、これまたしょぼい鏡が付いていた。そこに写るのは、ヒューマノイド・ヘルマグナム。
顎が太くて重い色合いの、ごついロボットだ。自分で言うのもなんだが、厳めしいと思う。身長は三メートルだし。
そんなのが、リボンとフリルの付いたピンクピンクしている可愛い衣装を着た姿を想像し、思わず。

「うごぇ」

喉へ迫り上がったオイルが、ぼたぼたと口の端から零れた。生まれて初めて、オレは嘔吐した。オイルだけど。
オイルの滴が、ピンピンの周囲に落ちる。ピンクのペンギンもどきは、眉間らしき場所をしかめた。

「ゲロるなピン。オイラも堪えているピン」

「んでー…聞きたくはねぇけど、どうやって、変身するんだ?」

「ホーリージェムストーン、その宝石を押して天高く掲げれば、あとは勝手に口走るピン」

「お約束だな」

「お約束だピン」

もっともだと言わんばかりに、ピンピンはうんうんと頷く。オレは口元を拭い、コンパクトを見つめた。
前に特攻任務を言い渡されたときも、ちょっと嫌だったが、ここまで嫌ではなかった。いっそスクラップになりてぇ。
いやいやいや、ここでスクラップになっては元も子もない。ナヴィアに言い訳出来ないし、戦えなくなる。
ええい、なるようになりやがれこんちくしょうめ。オレはハートの宝石を、ぐいっと親指で押し込んだ。

「ホーリー変身!」

変な言葉が口から出た。高々と掲げたコンパクトが、レーザービームみたいな光をびゅんびゅん発している。

「清き心を光に変えて、聖なる力よ我に宿れ!」

いや、何が。自分で言いながら、突っ込みたくなった。

「ホーリーシャイニー!」

光が体にまとわりついて、変に温くて嫌だ。と思ったら、ぱん、と光が爆ぜ、スカートになった。
三枚重ねでひらひらした薄ピンクのスカートが、オレの腰に。足にも、ヒール付きブーツみたいなのが。
きゅるっと首に光が巻き付き、チョーカーになる。両手には手袋、両手首にはブレスレット、背中には白い翼が。
スカートの後ろにどでかいリボンが付いて、最後に、頭に天使の輪を模したティアラみたいなのが現れた。
オレは妙な浮遊感を覚えながら、とん、と着地した。いつのまにか、コンパクトがステッキに変わっている。
やったこともないのに、ステッキをくるくる回していた。それを握ってびしりと構え、オレは叫んだ。


「魔法天使、ホーリーヘルマグナム!」

うわ語呂悪。ていうか、ホーリーとヘルって意味がおかしくないか。聖なる地獄ってなんだよオレ。

「聖なる愛で世界を救う光の天使!」


オレは光の天使だったのか。変なポーズを決めたまま、オレは呆然とした。
なんか知らんが、周辺がキラキラしてるぞ。眩しいっつーか、オレだけスポットライト状態というか。
しばらくすると、その光は消えた。無重力状態に近かった体にも重量が戻ったので、かかとを下ろして姿勢を戻す。
魔法の使い方も、無意識で解っている。よしまずは、乱射でぶっ壊れたメンテナンスルームを元に戻すか。
オレはステッキを指の間で回して、光を出させた。オレンジの光が、ステッキとオレの体から放たれる。

「ホーリーエナージョンパワー!」

なんだこの長ったらしい文句は。簡潔にしろよ面倒臭ぇな。
明るくなったオレの周囲は、心なしか温度が高い。温室のような、生温く締まりのない空気だ。

「オレが壊したもの、ぜーんぶ元に戻って! マジカルミラクルシャイニングフラッシュ!」

うげぇ女言葉。いい加減に口を閉じてしまいたかったが、勝手に喋ってしまう。もう嫌だ。
すると、妙な音があった。ぽわーんだかふわーんだかと音が出て、壁やらメンテナンスドッグやらが白く輝いた。
気の抜けた効果音のあと、光が失せた。壁に空いていた弾痕や亀裂、多少の汚れまで綺麗さっぱりだ。
なんか知らんが、凄ぇな魔法。オレは、まだ光っているステッキを力一杯、ピンピンへ振り下ろした。

「っだぁ!」

ばっぎゃん、と手応えあり。思った通りだ。同じ天界の物なら、ペンギンもどきにも通用するはずだ。
さっき撃ってしまった無駄弾の代わりにしては小さいが、ダメージを与えられればそれで満足だ。
追撃をかましてやろうかと、オレはステッキを上げた。だがピンピンは無傷で、馬鹿にした顔をしている。

「無駄だピン」

「フルパワーで殴ったはずなんだが、傷一つねぇってのはどういうこった。ああ?」

「オイラの輪を殴っただけピン。無駄な抵抗をするのは止した方がいいピンよー、今後のためにも」

「はぁ?」

オレは、ステッキを曲げた。へし折ってやろうと思ったのだが、これが壊れてくれない。なんでだ。
ピンピンは実に憎たらしい目をして、オレを見上げている。こいつの腹、絶対に黒いぞおい。

「あんまり神に対して反抗的な態度を取ると、ヘルっちはホーリーエナージョンが削られるピン。天罰ピン」

「なんだよそれ」

「つまり、君のお給料だピン」

「オレは神の部下じゃねぇ。オレが上官と認めた男は、アサダ長官とライトニンガー隊長だけだ」

「それはヘルっちの世界の話ピン。魔法天使になったからには、ヘルっちは神に仕えている身だピン」

「契約書を書いた記憶はねぇぞ。捺印もしてねぇ」

「魔法天使として変身したら、自動的に契約されることになっているんだピン。これも」

「…お約束か?」

「そうピン。でもって、ホーリーエナージョンというのは、簡単に言えば運気っつーか幸運を呼ぶ力だピン」

「要するに、逆らうとオレの運がガンガン削がれるわけか。さりげにえげつねぇ取引してねぇか?」

「しーてなーいピーン。神様のやることは全て正しいんだピン、あんまり口出しすると更に減るピンよー」

どうなっても知らないピーン、とピンピンは手の先を振ってみせる。

「逆に、神様に仇を成す悪魔、デビリンを倒せばホーリーエナージョンは手に入るピン」

「強奪するのかよ魔法天使」

「違うピン。デビリンは人間のホーリーエナージョンを奪い、魔王に捧げているピン。それを取り返すだけピン」

「相手も仕事なんだろ。その手柄を奪ってオレの物にするなんざ、そりゃ間違いなく強盗だぜ。強盗罪」

「デビリンはそれ以外にも、あらゆる罪を犯しているんだピン。そんな相手に人権を認めちゃいけないピン」

「うわー極論ー」

どこぞの人権団体が怒りそうな言葉だ。オレはうんざりしながらも、ステッキを掲げた。
とりあえず、当初の目的を達成しなければ。オレは長ったらしい呪文を唱えた。

「ホーリーエナージョンパワー!」

せめてホーリーパワーにしてくれ。言うのが本気で面倒臭い。省略出来ないのか、これは。
目的はただ一つ。オレは月面戦争で戦って男の沽券を取り戻し、ナヴィアに言い訳するんだ。

「オレを月まで飛ばして! マジカルミラクルシャイニングフラッシュ!」

うげまた女言葉。戦意を削がれながらも、オレの体は魔法を浴びて軽くなった。
ふわりと背中の翼が広がり、周辺がキラキラし始めた。粒子変換タイプのワープシステムのようだ。
視界が歪曲し、ワープ空間に突入した。いよっしゃあ、これでオレもドンパチが出来る。
月に到着したら、思う存分暴れてやる。溜まりに溜まったストレスを、乱射で発散してやろうじゃないか。







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