機動駐在コジロウ




井の中のカルト



 手袋を填めた手で、降り積もった雪を払った。
 十一月の上旬だというのに、一ヶ谷市内に発生した局地的な低気圧の影響で、猛烈に雪が降り始めた。おかげで 道は悪くなり、歩くだけでも一苦労だった。フカセツテンが突如出現したことで政府が一ヶ谷市全体に非常事態宣言 を発令したため、一ヶ谷市民は一人残らず退去してしまった。当然ながら市職員も残っていないので、行政の業務 は完全凍結している。よって、除雪車が動かないため、市内全域の道路には雪が降り積もったままになっていた。 定期的に買い出しに出るコジロウの移動ルートのごく一部だけは雪が消えているが、それ以外の道路は真っ白だ。 誰一人通らないので踏み固められもせず、毎日毎日大量の新雪が積もる一方である。

「むー……」

 つばめは雪に包まれた結晶体を睨み、そこに写る自分の顔と向き合った。頭からつま先まで完全な防寒装備を 整えているので、顔以外は外に出ていない。分厚いスキーウェアを着込んで毛糸の帽子を被り、雪が中に入らない ようにするためのカバーを被せた長靴を履き、もちろん手袋を填めている。これは道子がネット通販で揃えてくれた もので、スキーウェアの色はオレンジ色のチェック柄だ。道路も封鎖されているので浄法寺までは配達してくれない ので、コンビニ受け取りを指定して発注し、そのコンビニにコジロウを向かわせて受け取ってもらったのだ。

「何も変わってない。てか、何があれば変化が起きるの?」

 つばめはフカセツテンの表面をノックしてみるが、応答はなかった。全長三千メートルもの結晶体は、船島集落に すっぽりと収まったまま、微動だにしていなかった。特に出掛ける用事もないので、毎日フカセツテンの元を訪れて は異変がないかどうかを確認しているのだが、今日もまた、これといって変化はなかった。

「雪が積もっているってことは、動いてもいないってことだしなぁ」

 つばめは雪の降りしきる鉛色の空を仰ぎ、結晶体の上にこんもりと積もった柔らかな雪を認めた。道子が人工衛星 の画像や諸々のデータを元にして数値を算出したところによれば、フカセツテンの最も高い部分は三百メートル もあるそうで、滴型なので尖端に向かうに連れて幅も厚さも狭くなっているが、最も細い部分でも十メートルほど の厚さがあるそうだ。こうして目の前にしていても、スケールが大きすぎるせいか、実感が湧いてこない。所々で 積雪量が違うのは、自重に負けて滑り落ちているからだろう。つばめはフードに積もった雪を払い、腕を組む。

「ねえコジロウ、どうすればフカセツテンを動かせると思う?」

「本官はその質問には答えられない」

 つばめの背後で、パトライトを点灯させて赤い光を放っているコジロウが返した。

「フカセツテンを動かすための遺産が手元にない、もしくはコジロウはフカセツテンを起動させるためのプログラムを 知らない、ってこと?」

「そうだ」

 コジロウに即答され、つばめは白い息を漏らしながら唸った。

「うー、焦れったいなぁ。さっさと動かしたいのに」

「つばめはフカセツテンを支配下に置き、いかなる行動を取ろうとしているのだ」

「退かしたいんだよ。だって、この下には私の……じゃないや、お爺ちゃんの家があるんだし。フカセツテンの せいで潰れているかもしれないけど、大事なものがあるんだもん。それを取り戻したいだけだよ」

「それだけなのか」

「それだけだよ」

 つばめはコジロウの右手を掴み、目を伏せた。伊織に切り裂かれてしまったので継ぎ接ぎだらけだが、パンダの ぬいぐるみは、あの家の自室に置いてある。無事でなかったとしても、手元に取り戻したい。パンダのぬいぐるみ はつばめの過去が詰まったものであり、両親との繋がりを確かめられる、唯一のものだ。

「コジロウは、そういうのってないの?」

 つばめはコジロウを仰ぎ見ると、コジロウはゴーグルを翳らせる。

「本官には、主観は存在しない」

「欲しいものがあるなら、言ってよ。出来る限りのことをするから」

「本官には、個人的な欲求と呼ぶべきものも存在しない」 

「意地っ張り」

 つばめはちょっと笑ってから、コジロウの手を引くと、コジロウはすかさずつばめを横抱きにした。

「雪もひどいし、もう帰ろう」

 コジロウの首に腕を回し、つばめはしがみつく。コジロウは脚部の外装を開いてスラスターを展開させ、雪と氷を 溶かすために軽く蒸かしてから、改めて高熱を噴射して浮上した。タイヤで走り回るよりも消耗が激しく、エネルギー 効率も悪いのだが、ろくに除雪もされていない雪の中を移動するためにはこうする他はないからだ。

「そういえば、高守さん、帰ってこないねぇ」

 顔に雪が当たると痛いので、コジロウに緩めの速度で低空飛行してもらいながら、つばめは近頃見かけなくなった 男の名前を口に出した。高守はつばめに便乗して船島集落にやってきたが、その後、不意に姿を消してしまった。 元々は人間だったが、紆余曲折を経て拳大の種子になった高守は行動範囲が狭いので、そのうち帰ってくるだろう とタカを括っていたが、一週間ほど過ぎたのにまだ帰ってこない。連絡を取ろうにも、高守がつばめ達と意思の疎通を 行うために持っていた携帯電話は浄法寺に残されているので、連絡の取りようがない。
 彼もまた常人ではない。だから、ちょっとやそっとのことではやられないだろう。長年シュユを利用して弐天逸流を 運営していた高守は、道子達とは違ってつばめの味方とは言い切れないので、心配するべきか否かを少し迷って しまった。高守と接してみると、彼は少し気難しくて理屈っぽいが、決して悪人ではない。だが、全面的に信用する のは不安だ。弐天逸流がなければ、美月は狂信的な母親によって苦しめられずに済んだのだから。けれど、敵を 増やすのもどうかと思う。この事態に、祖父と遺産に立ち向かえる存在は限られている。味方は一人でも多い方が いいが、その味方が信用出来なければ意味がない、とも思う。そんなことを考えているうちに、屋根に雪が分厚く 積もった浄法寺が見えてきた。つばめはコジロウから機械熱を感じながら、白いため息を零した。
 早く、暖かい部屋に戻りたい。




 これから、どうするべきなのか。
 何も考えたくない、考えるだけで嫌になる、誰かに従っていたい、自由が疎ましい。高守信和は、降りしきる雪の 中を進みながら、鬱屈とした気分を抱えていた。種子のままでは移動出来ないので、泥人形の体を作って市街地に 出た後、脳が溶けて空っぽになったサイボーグのボディに乗り換えた。あのまま、つばめの手元で暮らしていては、 これまで弐天逸流が積み上げてきたものを蔑ろにしてしまうと思ったからだ。
 弐天逸流の幹部としての使命感や、祖父や父の亡き後に弐天逸流を効率良く動かしていた過去の自分への未練 といった感情に引き摺られて、高守はある種の陶酔感を覚えていた。自分がいなければ路頭に迷う人間は大量に いる、シュユの力を継続して作用させておけば弐天逸流の信者達はすぐにまた集まってくれる、本部を再建する ための軍資金だって簡単に、と甘く考えていたが、不意に高守はシュユの支配から解放されてしまった。その原因は 備前美野里がシュユの肉体を滅ぼしたからであり、その影響で異次元宇宙と物質宇宙の接続が途切れてしまい、 異次元宇宙に一定の精神力を搾取されることで均衡と規律を保っていた信者達の統制も崩壊してしまった。高守 も同様で、それまでシュユから与えられていた力を失って宙ぶらりんになっている。この状態ではろくな演算能力も 持たないので、特定の固有振動数を刀に与えてヴァイブロブレードに仕立て上げることも出来ない。普通の剣術と 武術では、太刀打ち出来ない相手ばかりが現れるからこそ、固有振動数を応用した戦法を編み出したのに。

「あー……もう、なんか、嫌だなぁ」

 高守は除雪車の運転席で項垂れ、ハンドルから手を離した。がっこん、がっこん、と一定の間を置いて上下する ワイパーは、フロントガラスに積もった雪を払いのけるが、その傍からまた新たな雪が振ってくるので、イタチごっこ だった。だが、払いのけなければフロントガラスには隙間なく雪が貼り付き、視界がゼロになってしまう。高守は寒さ のあまりにバッテリーの持ちが悪いサイボーグボディの充電量を気にしつつ、除雪車のマニュアルを一から見直し、 ああでもないこうでもないと四苦八苦しながら操縦した。普通車ならば運転出来るが、重機の操縦なんて未経験だ。 こういう時こそ岩龍がいてくれればありがたいのだが、生憎、彼はロボットファイターに戻ってしまった。
 ロータリー式の除雪車の動かし方は難しい上、雪に埋もれた道路の下に何があるのかも解らないので、縁石やら 何やらに何度も引っ掛かり、乗り上げそうになり、当てずっぽうで飛ばした雪の奔流が民家を直撃して窓ガラスを 盛大にぶち破ってしまったりしたが、なんとか前には進んでいた。とにかく進まなければ、一ヶ谷駅まで辿り着けない からだ。一ヶ谷市内全域に避難命令が下され、住民がいなくなったとはいえ、一ヶ谷市よりも北にある駅と東京の間 ではリニア新幹線が走り続けている。日々高架橋を観察し、リニア新幹線の速度や駅を通過する速度を確かめて、 一日に二三本は停車することが解った。それにどうにかして乗り込めば、この閉鎖された土地から脱出出来る。
 だが、脱出してどうする。どこへ行く、何をする、誰と会う。明確な目的がないことは、自分自身がよく解っている。 一ヶ谷市内にいて、つばめの傍にいる限り、企業間と政府の遺産に対する不可侵協定が保たれるので身の安全 も確保されることも、つばめの味方にさえなれば悪いようにはならないことも。だが、それが一体何になる。つばめは 高守と対等に接してくれるが、それだけだ。それだけでは、怖くて怖くて仕方ない。

「戻るのも嫌だけど、進むのはもっと嫌だ。でも」

 高守はアクセルを踏み込んで車体を進めながら、強化セラミック製の歯を食い縛った。だから、つばめの元から 逃げて一週間も一ヶ谷市をうろついている。本気でここから逃げ出したかったら、本格的に雪が降り出す前に行動 すべきだった。つばめの味方でいたくないのなら、佐々木長光に味方にしてくれと擦り寄るか、つばめを思い切って 葬ってしまうべきだった。或いは、政府側に全てを丸投げし、自分は無関係だと言い張って去るべきだった。だが、 そのどれも実行には移さなかった。鬱屈と、悶々と、暗澹と、自己嫌悪を溜め込んでいるばかりだった。
 弐天逸流さえ長らえていれば、高守は何も考えずに済む。シュユさえ無事なら、これまで通りにシュユの考え通り に動いていれば済む。そうすれば、自分が何をしようと、どうなろうと、怖くもなんともない。自分の責任は生じない し、シュユの言った通りだと言い張っていればいいだけだからだ。だが、そのシュユが離れてしまった。

「ああ、ああ、あああああぁっ……」

 怖い、怖い、怖い。高守は運転席で体を縮め、頭を抱えた。

「ああ、ああああああ、ああああああああ」

 生理食塩水の涙をぼたぼたと落としながら、高守は苦悶する。自分の意思を求められたくない、自我と呼べるもの は欲しくない、自立なんてしたくない、自分というものほど不安定なものはないからだ。だから、半死半生の肉体 にシュユの親株を植え付けられて人間でなくなった時、シュユの分身に近い位置付けになった時、弐天逸流の幹部 として耳障りのいい言葉で薄っぺらい教義を説いている時、この上なく安堵した。それなのに。
 間違ったことをすれば怒鳴られる、否定される、叩かれる、虐げられる、食事を抜かれる、その場にいないことに される。物心付く前から、高守はずっとそうやって育てられてきた。武術の腕前は一流だが、それ故に古い価値観と プライドに凝り固まっていた祖父と、そんな親を疎みながらも同じ道を辿っていた父親は、息子を最初から人間として 扱ってはいなかった。道場を継がせるためだけの繋ぎでしかなかったからだ。だが、高守には体格も、才能も、 一切備わっていなかった。否定され、否定され、否定され続けた末に得たのは、大人しく黙っていれば祖父と父親 をやり過ごせるということだけだった。母親も息子を守ってくれず、ある日、どこかに逃げ出した。
 実家である道場には、床の間に御神体としてシュユが据え付けられていた。祖父は千手観音だと言い張っていた ようだったが、千手観音ではないことは誰の目にも明らかだった。腕の数は確かに多かったが、仏像に必要な装飾 の類が一切なかったからだ。顔ものっぺらぼうで、背負っている光輪も奇妙だった。ふと気付くと、日々剣術の修練 に明け暮れていた祖父が道着から法衣に着替え、付け焼き刃の説法を行うようになり、道場に不特定多数の人間 が訪れるようになった。人々は御布施を渡してくれ、傾いていた道場の経営も取り戻せ、あばらやも同然だった道場 も建て直したが、再建された道場には仏教じみた装飾が加わるようになった。それもこれも観音様のおかげだ、と 祖父は喜び、父親も喜んだが、高守は喜べなかった。祖父と父親が富もうと、高守は恩恵に授かれないからだ。
 それから何年か過ぎて、高守が小学校の高学年に上がった頃、二天一流から弐天逸流へと名を変えた道場に 一人の女性がやってきた。身なりこそ上等だが、形相が異様で、腕の至るところに切り傷が付いていた。彼女の名 は立花南といって、自分は特別な存在だから神様と交わりに来た、と奇妙なことを言った。御神体に傷が付くのを 恐れた祖父と父親は彼女を追い返そうとするが、彼女は暴れ、手が付けられなかった。これでは大人しくさせようと するだけ無駄だと判断した祖父は、せめて好きなようにさせてやろうと、立花南を御神体と共に一晩過ごさせた。
 その夜、高守が道場に忍んでいったのは、思春期の片足を突っ込んだ年頃だったせいだ。父親譲りの不格好な 顔付きと、伸びる兆しのない身長と、いくら修練しても締まらないダルマのような体形で、自分はどう足掻こうと異性 とは深く付き合えないと幼心に悟っていたからだ。だから、生身の女性がどんなものか知っておきたいと思った末 に蛮行に出た。細く開けた引き戸の隙間から、御神体に跨る裸体の立花南の姿が見えた。
 立花南が乱雑に脱ぎ捨てた服の上に、真っ赤なカプセルが入っている薬瓶が転がっていた。南はへらへらと変な 笑い声を漏らしながら、恋人に接するような甘ったるい口調で御神体に縋り、白い背中をくねらせていた。その様は 総毛立つほどおぞましく、高守が思い描いていたような、女性の乱れる様とは懸け離れていた。何も見なかったこと にしようと、高守がその場から逃げ出そうとすると、突如、足下を掬われた。
 次の瞬間には道場の中に引っ張り込まれ、逆さまに吊り下げられた。何事かと目を動かすと、真下には御神体と 南がいた。赤黒い肌の御神体は背中から生えた光輪から青白い光を薄く放っていて、高守の足を縛って逆さまに しているのは、御神体から伸びた一本の細い触手だった。南に絡み合っているものもまた、触手だった。
 人智を越えたものに対する恐怖に悲鳴を上げかけた高守の喉を、触手が塞いできた。喉どころか胃の中にまで 異物が侵入し、苦しさからえづいていると、触手は高守の内に異物を押し込んでから引き抜かれた。荒っぽい動作 で床に放り出された高守が吐き気を堪えていると、立花南の内にも御神体は何かを植え付けた後、触手を収めた。 胃の中の三分の一を占める異物の重みと共に、高守は脳内に流し込まれた情報を察し、悟り、気付いた。
 御神体は、異星体である精神生命体は、シュユは飢えている。弐天逸流の信者達が細々と注いでくれる感情だけ ではアバターである肉体すらも保てそうにないから、強硬手段に打って出た。人並み外れて精神が不安定な立花南 に異次元宇宙から接触して揺さぶりを掛け、弐天逸流に招き入れ、南を妊娠させてその子供からダイレクトに感情を 搾取するつもりでいるのだ。人間を超越した種族であるが故に、人間に対して憐憫を抱きもしないのだ。
 そして、高守もまたシュユの手足となるべく種子を植え付けられた。全身に根が張って神経に成り代わり、感覚を 奪われ、思考すらも妨げられていったが、苦痛でなかった。むしろ、嬉しかった。自分で何も考えず、感じずに済む のであれば、祖父と父親から無下に扱われようとも苦しくないからだ。シュユの分身となって剣術と武術の腕を格段 に上げたのだが、そのせいで祖父と父親に勘繰られた。だが、面倒なので二人を斬り殺した。そういった罪悪感も 後悔もシュユが全て喰ってくれた。シュユだけを信じていれば、従っていれば、高守は幸福だった。

「ああ、ああ、ああああ」

 だが、そのシュユが死んだ。殺されてしまった。高守を導いてくれる者は、どこにもいない。

「ああ、ああああああああ」

 探す気力もない。求める余力もない。自立する勇気もない。ない、ない、ない。

「うぁあああああああああああ」

 泣き喚きたかったが、涙の代わりの生理食塩水は切れてしまった。高守は行き場を失った感情を持て余し、首が 外れかねないほどの腕力で頭を押さえた。外界を見ずにいれば、少しだけ気が楽になるからだ。吐き出した叫び声が フロントガラスをびりびりと震わせ、降り積もる雪を少しばかりはね除けていた。
 不意に、突風が巻き起こった。吹き付ける雪の量が目減りし、辺り一帯に暴風が巡っている。吹雪が始まったの かと高守が恐る恐る外を見てみると、上空から一機のヘリコプターが下りてきた。雪に塞がれた駅前ロータリーに着地 する、かと思いきや、その場でホバリングした。機体を雪に埋めないためだろう。ハッチが開き、細長いスキーを 履いた数人の人間が出てきた。足場が悪すぎるので徒歩では無理だと判断したからだろう。雪原用の白い迷彩服 を着た彼らは足を前後に動かしながら、迷わずに高守の乗っている除雪車に近付いてきた。程なくして、運転席の ドアがノックされた。高守がびくつきながらドアを開けると、白い防寒着を着た人間がフードを外し、顔を出した。

「おーす。説明しなくても見当が付くと思うが、政府のモンだ。あんた、高守信和だな?」

 意外なことに、二十代後半の女性だった。彼女だけ自動小銃を手にしていないので、非戦闘員なのだろう。高守 が返事を返すか否かを迷っていると、女性は戦闘員達に指示を送り、即座に高守を取り押さえた。有無を言わさずに 連行されながら、高守は内心でほっとしていた。何かに流されていれば、自分で考える必要がなくなるからだ。
 暴風雪の中、再びヘリコプターは飛び立った。





 


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