予想通りの反応だった。 鋭太の前に立つ実兄、大神剣司、もとい、暗黒総統ヴェアヴォルフは呆れすぎて突き抜けた表情になっていた。 その傍らに控えている四天王の一人、レピデュルスも額と思しき部分を指先で押さえて首をゆっくりと横に振った。 デスクで仕事に取り掛かっていた、パンツァー、アラーニャ、ファルコ、名護刀一郎、カメリーも、全員で呆れていた。 彼らの視線が背中を貫かんばかりに突き刺さっていたが、鋭太は恥をかなぐり捨てて懇願した。 「だからさ、兄貴、勉強教えてくれよ」 「お断りだあっ!」 即座にはねつけたヴェアヴォルフは、弟の肩を強く掴んで鼻先がぶつかるほど距離を詰め、怒鳴った。 「いいか鋭太、俺の本職は総統であり取締役だ! 泥沼に填っていく不景気もそうだが、派遣社員に関する法改正 とか何やらで頭が痛いんだよ! 今のところ改正されちゃいないが、もしも改正されてみろ、契約先の半分以上が ダメになっちまって社員達も放り出されちまうんだよ! こっちも派遣先も商売でやっているんだから仕事が出来なく なったらたまったもんじゃないんだよ! ちったぁまともに新聞を読めよ! そうすれば俺の辛さが解る! だから、 お前の下らない見栄を守る手伝いなんてしている暇はないんだよ!」 「若旦那の仰る通りでございます」 レピデュルスが嘆息すると、パンツァーはぎしりと背を丸めて砲身を斜めに傾げた。 「前から坊っちゃまは見栄っ張りだとは思っちゃいたが、そこまで重症たぁなぁ」 「お年頃だからぁ、女の子にいい顔をしたいのは解るけどぉ、時と場合を選んだ方が身のためよぉん」 アラーニャが上両足を竦めると、ファルコがくくっと喉の奥で笑いを殺した。 「しっかし、坊っちゃまの女の趣味は変わらねぇんですなぁ」 「切っ掛けはどうあれ、学習意欲が湧くのは大いに素晴らしいことだと思うよ。でも、都合が悪すぎるんだよ」 名護は正月休みの間に溜まった郵便物を整理しつつ、鋭太を一瞥した。 「副業の人材派遣もだけど、本業の世界征服の方にも面倒なことが起きちゃってね」 原因はカメリーなんだけどね、と名護がカメリーを横目に見やると、カメリーはまだらに肌の色を変えた。 「仕方ないでしょうに。俺が流したジャールの評判が、こんなふうに変わっちゃうなんて思ってみなかったんだもの」 「正月休みの間に何かあったん?」 ヴェアヴォルフに声を掛けたらまた怒鳴られそうなので、鋭太はレピデュルスに尋ねた。 「ええ、厄介な問題が発生してしまったのです。鋭太坊っちゃまも、カメリーが悪の秘密結社ジャールに関する情報を 怪人の間に流していたことは存じ上げておりますよね」 「兄貴が刀一郎さんっつーかセイントセイバーを自力で倒して、ミラキュルンも追い詰めたっつー、あれだろ?」 「カメリーによる盛大かつ蛇足な脚色を省けば、情報の概要はそれでございます。そのおかげで、我らが悪の秘密 結社ジャールは怪人業界の中では一目置かれる存在となり、同時に総統である若旦那も同じでございました。それ 自体は誠によろしいことでございますし、入社希望の怪人からの問い合わせも多くなりましたし、社員の数も増えて まいりました。ですが、カメリーが流布した情報は、怪人達を通じてヒーローにも流れてしまったのでございます」 レピデュルスの複眼がカメリーに向くと、カメリーは左右の目をぎょろぎょろと動かした。 「うん、だからねぇ、年賀状に混じってヒーローからの挑戦状がどっさり来ちゃったのよ」 「……は? ミラキュルン一人にあんなに手こずってるくせに、何考えてんの? つか、マジ馬鹿じゃね?」 鋭太が唖然とすると、カメリーは両手足を縮めて尻尾まで丸めてしまった。 「だぁから俺が悪かったって言ってんでしょうが、ああでも首は切らないでね、七瀬と結婚出来なくなっちゃうわ」 「怪人が自分の組織に悪事を働いてどうすんだよ」 パンツァーが排気混じりのため息を吐くと、アラーニャは悩ましげに身をくねらせた。 「だからぁ、私達ぃ、普段の仕事の他にぃ、対策会議もしなきゃならないのよぉ」 「ちゅうわけで、俺達ぁ鋭太坊っちゃまのお手伝いをする余裕なんてありゃしねぇんでさぁ」 ファルコが翼をひらひらと振ると、レピデュルスは鋭太を見下ろした。 「本音を言えば、私は鋭太坊っちゃまの意欲を買っております。たとえそれが、動機というには情けなさすぎる動機と 不純すぎて笑えてしまうほどの切っ掛けであろうと、刀一郎様の仰るように学習意欲に違いありません。ですから、 この際、その桜木ちえりさんという御嬢様が目指していらっしゃる東京大学に、鋭太坊っちゃまも本当に受かるほど の学力を授けてしまいたいのです。これまでは芽依子の教育や若旦那の後方支援で手が空きませんでしたので、 鋭太坊っちゃまの教育には深く関われませんでしたが、芽依子が人間としても怪人としても一人前となり、若旦那が 悪の秘密結社の経営者に相応しい経験と実力を持ち得た今では違います!」 レピデュルスは鋭太の肩を痛むほど掴み、ヴェアヴォルフに向き直った。 「若旦那の許可さえ頂ければ、鋭太坊っちゃまに見違えるほど素晴らしい学力を与えましょう!」 「正直、俺も全力で許可したい。だが、許可したらヒーローと戦う人数が減るじゃないか。それが現実だ」 ヴェアヴォルフが名護の手元の挑戦状の束を指すと、レピデュルスは空いた左手を差し伸べて鋭太を示した。 「鋭太坊っちゃまの成績の悪さも紛う事なき現実にございますが」 「あ、そうだ。俺にマジ良い考えがあるし」 このままではレピデュルスに徹底教育されそうだと危機感を抱いた鋭太は、作り笑顔で兄に向いた。 「またか。だが、セイントセイバー戦のようなデタラメな作戦は勘弁してくれよ。あれは俺達の身が持たない」 聞くだけ聞いてやるが、とヴェアヴォルフが弟に近付くと、鋭太は尻ポケットから携帯電話を引っこ抜いた。 「ヒーローの挑戦状さ、野々宮とマッハマンに見せたらいいんじゃね? そしたら、敵の力も解るんじゃね?」 「そうだなぁ……。美花さんはともかく、速人君なら知っているかもしれないね」 名護は年賀状と年賀ハガキを使った挑戦状を選り分けてから、はい、とヴェアヴォルフに渡した。 「僕はヒーローだった期間が短すぎたから、名前の知らないヒーローばかりでね。だけど、速人君は違うだろう? 何せ、 御両親がスーパーヒーローだし、頭も良いし真面目だし、僕達の知らない情報を持っているはずだよ」 「もうちょっと美花のことも買ってくれてもいいと思うんだけどなぁ」 恋人の評価の低さにヴェアヴォルフがぼやくが、名護は笑うだけだった。 「生憎、僕は弓ちゃんとジャールの味方だからね。いくら若旦那の恋人でも、宿敵は宿敵だから」 「んじゃ、連絡するねぇん。どっちもまだ冬休みよねぇ、坊っちゃまが本社にいるんだから」 カメリーが内線電話の受話器を上げて番号を押し始めると、パンツァーが釘を刺した。 「ちゃーんとお前さんが元凶だっつうことも説明しとけよな」 「解っていますってばぁ、んもう」 カメリーはばつの悪さで体色が変化し、背景に同化しそうになったが、電話が繋がると元の色に戻った。 「あ、もしもし、美花ちゃん? カメリーだけどぉ、今からジャールに来てほしいのよ、お兄さんと一緒に。ちょっと面倒な ことになっちゃってさぁ、その原因が俺なのよ、おーれ。あー、いやまだ大丈夫よ、首の皮はちゃんと繋がっているからねん。 相変わらずやっさしいねぇ、俺の心配なんかしてくれちゃって。さすがは純情戦士ね。じゃ、三十分後ね。社員一同、待ってるわん」 電話を終えて受話器を下ろしたカメリーは、ヴェアヴォルフに向いた。 「てなわけだから」 「せめて本題を話してから電話を切ってくれ。それが社会人としての常識だろうが」 ヴェアヴォルフがカメリーに詰め寄ると、カメリーは椅子のキャスターを転がして逃げ腰になった。 「だぁ、だってぇ、本当のことを言ったら逃げられちゃいそうじゃないの。特に速人君にはさぁ」 「それは道理だね。僕の知る中で、彼が一番ヒーローらしいといえばらしいから」 名護が同意すると、カメリーは腰を上げた。 「んじゃ、俺、お茶菓子でも買ってくるわ。それも道理でしょ、若旦那!」 カメリーはぴょんと椅子から跳ね上がるとロッカールーム兼更衣室に飛び込み、コートを引っ掛けて出ていった。 渦巻きの尻尾を揺らしながらカメリーが階段を駆け下りていく様を見送り、ヴェアヴォルフは軍帽を下げた。 「全く……」 カメリーは社員としては有能ではあるのだが、短所も多い。だが、彼を採用したのはヴェアヴォルフ自身なのだ。 だから誰を責めるわけにもいかず、ヴェアヴォルフは大股に自分のデスクに戻ると、挑戦状を一面に並べてみた。 なんとなく好奇心が湧いて鋭太も年賀ハガキの挑戦状を見下ろしたが、どれもこれも知らない名前ばかりだった。 一応幹部だった鋭太が知らないと言うことは、本当に駆け出しか、マイナーの中のマイナーのヒーローなのだろう。 去年の春頃はまだ駆け出しだった純情戦士ミラキュルンも、今はヒーロー業界でも一目置かれているそうである。 正義に対するスタンスはガキ臭いと言われているが、並外れた潜在能力と底なしの体力は評価が高いようだった。 それらの情報源は、美花の兄であり音速戦士マッハマンである野々宮速人なのでまず間違いないだろう。 「ん?」 鋭太は挑戦状の一枚に目を留め、耳を曲げた。魔法少女まじかるチェリーなる相手からの挑戦状だった。 「てか、魔法少女なんていんの?」 「知らないのか? ヒーロー体質にも色々あるんだが、魔法少女はその中でも特に数が多い体質なんだ」 ヴェアヴォルフは魔法少女まじかるチェリーからのハガキを取り、眺めながら、話を続けた。 「ミラキュルンのような女性ヒーローが珍しいって話はしたか?」 「んー、うん。ちょっとだけ聞いた気がする」 「その原因は、前線でヒーローと戦う怪人のほとんどが男だというのもあるんだが、女性ではヒーロー体質が上手く 発現しないからでもあるんだ。男と女のヒーロー観念が根本的に違っているのも一因だが、思考や価値観の相違も手伝って、 女性は潜在的にヒーローになりたがらない。つまり、心の底でヒーロー体質を持っている自分を否定しているから、ヒーロー 体質を持っていても完全なヒーローには変身出来ない、ということらしいんだ」 「なんつーか、それ、心理学?」 「そうだな。俺が大学で教わったヒーロー学は、ほとんどがそんな感じだったからな」 「んで、そのヒーローの出来損ないが魔法少女になるから、魔法少女が多いっつーわけ?」 「凄く乱暴に説明してしまえばそうだな。俺が取ったゼミの教授で元魔法少女だった先生は、ヒーローになりたくないけど 力を無駄にしたくないから、という動機で魔法少女になったんだそうだ。見た目も可愛いし、戦い方も暴力的じゃないし、 何より顔もスタイルも変えられるしな。魔法少女が一番最初に魔法を使うのは、自分自身ってわけだ」 「その割には戦わねーのな、俺達みたいなのと」 「まあ、魔法少女だからな」 「じゃ、そいつはマジ変なのな」 「そうなんだよ。怪人の誰かを差し向けてもいいんだが、腕力も耐久力もない相手でしかも女の子となると、戦う以前の 問題だ。だが、挑戦を受けずに断るのは、悪の組織としての沽券に関わってくるんだ」 新年早々から疲れた顔をしている兄に、鋭太は良心が痛んだ。やはり、勉強は自分でなんとかするべきだった。 また図書館に行こう。そして桜木ちえりに会い、本当のことを言おう。そうしなければ、いつまでも気まずいままだ。 話の流れとはいえ、嘘を吐くのは良くない。そういう悪事は怪人らしくないし、胸やら胃やらがきりきりしてくるのだ。 鋭太は兄のデスクから離れると、正義の兄妹を出迎えるための準備をしようと給湯室に入り、湯を沸かした。 今、自分が出来る仕事はこれくらいだ。 きっかり三十分後、野々宮兄妹が悪の秘密結社ジャールを訪れた。 応接セットに通された二人の前には、駅前西口の洋菓子店、スイートベリーの冬季限定ケーキが並んだ。それは もちろん、カメリーが自腹で買ってきたものだ。緑茶に合うかどうかは微妙だが、二人は素直に手を付けた。美花は ケーキが出てきた途端に子供っぽく喜んだが、速人はやけに真面目な顔でケーキの味を分析した。弛緩した美花 がストロベリームースとチョコのケーキを食べ終えたのを見計らって、ヴェアヴォルフは切り出した。 「二人を呼んだのは他でもない、これに関して意見を聞きたいんだ」 二人の向かい側の応接セットに座ったヴェアヴォルフは、テーブルに十七枚の挑戦状を並べた。 「うわ、なんですかこれ」 抹茶と小倉のムースを切り分けていたフォークを下ろして速人が目を丸めると、美花もぎょっとした。 「これ、全部がジャールに来た挑戦状なの?」 「そうなんだよ」 ヴェアヴォルフは自分の前に出されたティラミスを食べつつ、簡潔に説明した。 「事の発端はカメリーがジャールの情報を怪人に流布したことなんだが、それがヒーロー業界にも伝わったらしくて、 年賀状と一緒に届いたんだよ。だが、俺達の知らない名前のヒーローばかりで、調べようにもどこから手を付けたらいいか 解らなくてな。だから、ヒーローである君達に意見を仰ぎたいんだ」 「妙な話ですけど、困った時はお互い様ですからね。美花が潰す前にジャールが潰されちゃ、俺も困りますし」 速人は挑戦状をざっと眺めてから、三枚の挑戦状をヴェアヴォルフ側に押し出した。 「これとこれとこれは俺も知っています、三人とも中堅どころのヒーローで実力もありますが、敵対している悪の組織がない 人達です。だから、戦う時は幹部クラスでないと絶対負けます。逆に言ってしまえば、幹部クラス程度の実力でも勝てる相手、 ということです」 超迅戦士イダテンダー、甲虫拳士インセクター、豪海神リガンリュー。 「これとこれとこれとこれとこれはド新人ですね。美花と同時期に出たはいいけど怪人と戦った経験もほとんどないし、 ヒーロー体質も不安定な連中ですが、油断は禁物です。腐ってもヒーローですから」 流星騎士スターナイト、未来警察ミラクルポリス、灼熱闘士ゴーカイン、流麗剣士カレイド、剛力変身ストロング。 「これとこれとこれとこれとこれとこれとこれは地方出身ヒーローですね。関東で名を挙げてから東京にって思って、 ジャールに挑戦状を送ってきたんでしょうね」 極寒戦士シロクマー、雪神ジフブキング、山脈戦士ハッカイダー、などなど地方色豊かな名が並んだ。 「それで、これとこれは引退表明を発表した人達なので、最後に一花咲かせようって腹でしょう」 鳳凰仮面、地獄武者。 「あ」 そこで初めて美花が反応し、苦笑混じりに鳳凰仮面のハガキを指した。 「これ、うちのお爺ちゃんだ」 「そうです、父方の祖父です。戦前にヒーロー体質に目覚めて、それからずっと好き勝手に戦っているんですよ」 速人も呆れ気味に、やたらに達筆な筆文字で挑戦状が書かれた年賀ハガキを取り上げた。 「そういえば、戦後すぐにジャールと戦ったとか言っていたような気がします」 「ああ、それはうちの祖父が相手だよ。鳳凰仮面とは何度もやり合ったって言っていたなぁ」 ヴェアヴォルフは少し笑ってから、速人が分けた挑戦状を見下ろした。 「ありがとう、これでなんとかなりそうだ。それでも、魔法少女まじかるチェリーは分類不能か」 「俺が明るいのは同業者だけですからね。こういうのは、むしろ美花の仕事です」 ほれ、と速人が美花に魔法少女まじかるチェリーのハガキを渡すと、美花はそのハガキをじっくりと眺めた。 「まじかるチェリー? んー、そうだなぁ、ちょっと待って、今思い出すから」 美花は可愛らしいイラストが書かれたハガキを睨んでいたが、ああ、と顔を上げた。 「思い出した! ほら、お兄ちゃん、去年の五月のヒーロー研修で隣の席だった女の子だよ!」 「ヒーロー研修?」 ヴェアヴォルフが怪訝な顔をすると、速人が説明した。 「そちら側に悪の組織の組合があるように、俺達ヒーローにもあるんですよ、ヒーロー協会ってのが。本当の意味で フリーランスなヒーローは登録していませんけど、特定の悪の組織と敵対するヒーローは必ず入らされるんですよ。 で、俺も美花も入っているわけで、定期的に研修を受けに来いってハガキが来るんですよ。戦いにおける社会通念 とか、怪人をどこまで痛め付けるべきかとか、世界征服を阻止する方法とか、そういったことを話し合うための会合 なんです。魔法少女が出席しているのは珍しくありませんけど、数は少ないですね。あっちはあっちで、ちゃんと魔法 少女協会ってのがありますから」 「中学三年生の女の子だったかな。大人しくて控えめなんだけど、そんな自分を変えたいから強くなりたいって」 美花の言葉に、事の次第を傍観していた鋭太が笑った。 「つか、それ、まるっきり野々宮と同じだし」 「だから仲良くなったんだよ。あー、どうせならアド聞いておけば良かった。聞きそびれちゃったんだもん」 悔しがる美花に、ヴェアヴォルフはにんまりした。 「その機会はこれからいくらでもあるよ。なあ鋭太?」 「……え?」 兄の悪意が垣間見える眼差しに鋭太は身を引きかけたが、尻尾を掴まれてしまい、逃げ出せなくなった。この分 では、暗黒参謀ツヴァイヴォルフが魔法少女まじかるチェリーと戦う羽目になってしまう。総勢十七人ものヒーローを 捌くためには、幹部怪人も頭数が必要だが、だからといって魔法少女を相手にするのは。ヴェアヴォルフ、四天王、 カメリー、名護だけでなく、美花と速人からも視線を注がれ、鋭太は渋々尻尾を下げた。 暗黒参謀ツヴァイヴォルフの復活が決定した瞬間だった。 09 12/31 |