あれから、更に半月が経過した。 紀乃が宇宙と時間と並列空間の旅路から戻った時点で、竜ヶ崎全司郎との戦闘から半月が経過していたので、 これで一ヶ月が経過したことになり、溶解されて取り込まれた者達の生体洗浄と生体復元は完了した。だが、ワン・ ダ・バの生体組織を得て肉体が元通りになったからといって、すぐに日常に復帰出来るものでもない。それまで体を 成していたワン・ダ・バの因子とイリ・チ人の遺伝子が置き換えられたことで、何もかも勝手が違ってしまったのだ。 自分の人格は変わりなくとも、鏡を見ると多少なりとも顔が変わっていたり、身長や体格に違いが出てきたり、持病が 消えた代わりに奇妙な体質を得たりと、個体差はあれども変化が訪れていた。 竜ヶ崎に溶解されなかったおかげで生体洗浄の期間が一週間と短かった紀乃は、血族達よりも一足先に療養所 として割り当てられた施設に入っていた。鈴本礼科を始めとした公安の人間が手を回してくれるおかげで、不自由 のない暮らしが送れていた。竜ヶ崎によって隅田川に投げ込まれたため、治りかけの傷が深まった秋葉も療養所で 心身を休めていた。恋人であり未来の夫である山吹丈二が元に戻ってくるのが楽しみでならないのか、秋葉は紀乃に しきりに山吹の話をしてくれた。その間に、二人は仲良くなった。他に心の拠り所がなかったのもあるが、互いに 心を開いて話せる相手がほしかったからだ。福井県の病院から移送されてきた一ノ瀬真波も、紀乃と同じく一週間 で生体洗浄を終えた。竜ヶ崎によって食い千切られた右太股の内側は筋肉と神経がほとんど再生したが、傷跡は 派手に残ったままだった。そんなのは整形手術で治していくから大丈夫よ、と言った真波の顔は晴れやかだった。 だが、真波は長居はせず、皆が元に戻った時に自分がいては皆の傷に障る、と早々に療養所から去った。紀乃は 真波と話したいことが山ほどあったが、真波の立場を考えると無理からぬことなので引き留めずに見送った。 十月に入って間もない日、紀乃と呂号の元には制服が届けられた。考えてみれば、紀乃も呂号も来年は十六歳 になり、高校に進学する年齢になる。紀乃は暇を持て余していたのと礼科らから勧められたこともあり、勉学に励んで いたおかげで高校進学に支障を来さない学力を得ていた。呂号は視力が回復してきたばかりだったので大量の 文字を読み取るのはまだ難しい上に読解力は視力を失った幼児の頃で止まっていたが、元々の頭の良さが補って くれたので、紀乃と相違のない学力を得るのは時間の問題だった。そこで、政府関係者が手配し、救済策で戸籍と 経歴を変えた紀乃と呂号が進学出来そうな高校を探し出してくれた上に制服を届けてくれたというわけである。 姿見の前に立った紀乃は、スカートを抓んでみた。濃いグレーのブレザーにブラウンのチェックのプリーツスカート に赤いリボンが付いた制服は大人っぽく、ブレザーと揃いのベストの胸ポケットには金糸で校章が刺繍されていた。 何度となく襟やリボンをいじってみてから、紀乃は制服を持ってきてくれた礼科に向き直った。 「あの、これって御嬢様学校っぽくないですか?」 「ええ、その通りです。カトリック系の女子校です。ちなみに、御両親の希望ですよ」 紀乃のベッドサイドの椅子に腰掛けている礼科は、微笑ましげに顔を緩めていた。 「お父さんとお母さんの?」 紀乃が半笑いになると、カーテンの仕切りが開いて隣のベッドの住人である呂号が出てきた。こちらも同じ制服を 着ていて、視力を補うための度の強いメガネを掛け直し、紅潮した頬を隠す努力をしていた。 「……僕には似合わない。変えてくれないか」 「それは無理なご相談ですよ、露乃さん。我々が努力に努力を重ねて見つけ出した学校なんですから」 礼科がにやけると、呂号はカーテンを被って身を隠してしまった。 「だっ大体なんでスカートなんだ! 僕はそんなの困る困る!」 「だったら、下にジャージでも履けば?」 紀乃がからかうと、呂号はカーテンを緩めて素足を見下ろし、更に赤面した。 「それもなんだか困る。格好悪い。僕の美学に反する」 「あんなに派手な格好をしてエレキギターを掻き鳴らして暴れていたくせに、今更何を恥じらってんだか」 紀乃がけらけらと笑うと、呂号はむくれた。 「おっ……お姉ちゃんだってそうじゃないか! 僕よりもずっとずっと派手に暴れていたくせに!」 「おやまあ。今日は何お姉ちゃんですか?」 二人の間に座っている礼科が笑みを零すと、紀乃はにんまりして指を四本立てた。 「四お姉ちゃんでっす!」 「頼むからそんなものは数えないでくれ。しかもなんだその珍妙な単位は」 呂号は居たたまれなくなって顔を逸らすと、部屋のドアが開き、双子の騒ぎを外から窺っていたらしい甚平が困り 顔で入ってきた。甚平はドアを叩いてから、ぎょっとして後退った呂号と上機嫌な紀乃を見比べた。 「あ、あのさぁ、一応ノックはしたんだけど、気付いてくれなかったみたいっていうかで」 「うはあっ!」 呂号は顔を覆って逃げ出し、部屋の隅で小さくなった。 「やっやだやだやだこんな情けないの見ないでくれ! 格好悪い! 恥ずかしい!」 呂号は甚平を横目に窺っていたが、耳まで火照らせて顔を膝に埋めた。甚平は困ってしまったらしく、紀乃と顔を 見合わせて苦笑した。そこにいるのは、サメ人間と化す以前のうだつの上がらない風体の青年ではなく、サメ人間 であった頃の体格の良さを残した長身で筋肉質の青年だった。目元の優しさと雰囲気の穏やかさは変わらないが、 顔形は、甚平が本来あるべき遺伝子が前面に出てきたことで随分変わっていた。視力は未だに低いのでメガネは 手放せないが、体も大きさに見合った程良い男臭さと整った目鼻立ちが好印象を与える青年になっていた。 「しっかし、甚にいって格好良かったんだねぇー。サメの時も格好良かったけど」 紀乃がまじまじと甚平を眺めると、甚平は心底困惑した。 「あ、いや、えと、その、うん、なんか、ごめん。こんなんになっちゃって。僕は、前のままでも良かったっていうか。 あ、まあ、でも、僕の生体汚染はかなり根深かったせいで、サメの生体情報は完全に洗浄出来たわけじゃないし、 一定時間以上海水に浸かるとすぐにサメの体になっちゃうっていうかで。だから、その、うん……」 「では、私はこれで。いづるさんをお伺いして、大学進学についてのお話をしなきゃならないので」 それでは失礼しました、と礼科が一礼して部屋を出ていったので、紀乃もそれに続いた。 「じゃ、私も皆に見せてこよう。せっかくの制服だもんね!」 「ああ待ってお姉ちゃん!」 呂号が縋るように紀乃の背に呼び掛けてきたが、紀乃はそれに構わずにドアを閉めた。あぁ、と甚平からも多少 戸惑った声がしたが、聞かなかったことにした。程なくして二人の雰囲気が変わったことを察知し、紀乃は足取りも 軽く廊下を渡っていった。駆け足で階段を昇った紀乃は屋上に出ると、勢い良くドアを開いた。 東京湾と都心を一望出来る屋上には、誰もいなかった。療養所の中庭では、人間の姿になった翠が秋の日差しを 浴びながら本を読んでいる。その足元では、ヤシガニとしては真っ当な大きさになったガニガニがごそごそと這って いる。コスモスの花壇を背にしている秋葉は、元の姿に戻っても未だ目覚めない波号と、脳しか再生出来なかった ために二度目のサイボーグ化手術を受けた山吹の部屋の窓を物憂げな眼差しで見上げている。階下からは、礼科と 話し合う伊号とその母親であるかすがの声が聞こえ、虎鉄と芙蓉がそれに口を挟む様子も伝わってくる。結果として 嘘を吐いたことになる、と紀乃は自分を疎みながら、屋上を取り囲んでいるフェンスを握り締めて俯いた。 「今日はまた、どうしたんだ」 紀乃の頭の中に、直接声が響く。ワン・ダ・バと合体している忌部の声だ。 「あ、うん。礼科さんが、来年から通う高校の制服を持ってきてくれたの。超可愛いんだよ」 紀乃は明るさを保ちながらワン・ダ・バに返すと、ワン・ダ・バは答えた。 「そうか、そりゃ良かったな。てことは、呂号、じゃない、露乃もその制服を着たんだな?」 「うん。でもね、凄い恥ずかしがりようで、甚にいからも逃げちゃうぐらい。似合っているのになぁ」 「呂号としてはらしくないが、それが露乃らしさなんだろうな」 「うん、そう思う」 紀乃は笑顔を浮かべようとしたが、甚平と呂号の間に流れる空気を思い返すと胸が詰まった。ゾゾに見せたら、 一体どんな反応を返してくれるだろう。照れ臭くなるぐらい褒めてくれるに違いない。これからのことを直接話したら、 どんなことを言ってくれるだろうか。二度と会うなと言われたのに会いたくてたまらない。フェンスを握り潰さんばかりに 力を込めた紀乃は膝が笑い出してしまい、ずるりとへたり込んだ。泣くな、泣くな、泣くな。 「紀乃。悪いが、ちょっと頼まれてくれないか」 ワン・ダ・バの声色が変わったので、紀乃は気合いを入れ直して答えた。 「ん、なあに?」 「兄貴の服で良いから、上から下まで一通り用意しておいてくれないか。それと、忌部島まで船を出してくれと公安に 頼んでくれ。でないと、ちょっと困ったことになるんでな」 「どういうこと?」 「詳しいことは現地で説明する。二時間後、また屋上に来てくれ。二つとも、忘れるなよ」 それを最後に、ワン・ダ・バの思念通信は切れた。今一つ意味が解らなかったが、余程のことなのだろう。紀乃は 首を傾げつつ、両親の部屋に向かった。ワン・ダ・バの思念通信の内容を虎鉄に伝えると、虎鉄も訝りながらも紀乃の 言う通りにしてくれた。虎鉄から借りた男物一式を入れた紙袋を手にした紀乃は、礼科を掴まえてワン・ダ・バからの 思念通信の内容を伝えると、思いの外あっさりと実行してくれた。一時間以内に準備を整えさせ、海上自衛隊の 高速艇を発進させてくれるそうだ。礼科に丁重に礼を言ってから、紀乃は約束の時間が近付いたので再び屋上に 向かった。先程は昼間だったので暖かかったが、日が暮れたことで東京湾を吹き抜けてきた潮風が冷えてきた。 真新しいプリーツスカートの裾を押さえながら、紀乃は風圧に負けて目を閉じた。 直後、目を開くと、景色は一変していた。瞬間移動だ、と察したのは数秒後だった。新品で革の固いローファーの 靴底には岩の硬さが伝わり、髪を掻き混ぜる潮風は蒸し暑かった。頬を掠めていく砂粒は白く、硫黄の匂いが鼻を 突く。緯度が高いために日没が遅い南海の離島は、鮮やかな茜色に染め上げられていた。 「よう」 いきなり肩を叩かれた紀乃が条件反射で振り向こうとすると、その手の主が紀乃をぐっと押さえた。 「すまんが振り向くな。振り向いたとしても、ぎゃあとかわあとか言うな」 「あ、忌部さん? でも、なんで元に戻っているの?」 手の主を察した紀乃は、紙袋を後ろ向きに渡した。忌部らしき手はそれを取ると、早速中身を出した。 「それについては、服を着てから話す。今の俺は、素晴らしくも快適であり恍惚極まる全裸なんでな」 ひとしきり衣擦れの音が聞こえ、スラックスの股下が合わん、ベルトが長すぎないか、などとぼやきながらも忌部は 兄から譲渡された衣服を着終えた。了解を得てから紀乃が振り向くと、そこには西日の光条を背負った忌部次郎が 立っていた。他の面々と同様、忌部は体格と雰囲気こそ変わらないが顔付きがほんの少しだけ変化していて、よく 似た他人程度に変わっていた。もちろん、体は透明ではない。忌部はカッターシャツの襟元を広げ、一息吐く。 「畜生、やっぱり服なんか嫌いだ。ざらざらする。だが、着なければ困るのは自分だからな」 「じゃ、もう一度聞くけど、何で元に戻っちゃったの? 元に戻れない可能性の方が高かったんじゃないの?」 紀乃が挙手すると、忌部は紀乃を指し示しながら答えた。 「追い出されたんだよ、小松とミーコから。で、俺もきっちり生体洗浄されて生体復元されたというわけだ。宇宙規模の 蜜月を楽しむんだとよ。そのためには、俺が邪魔なんだとさ。建前なんだか本音なんだか」 「あの二人に限って、それが建前ってことはないと思うけど。ああ、だから帰りの船が必要なんだね」 「そうだ。二時間前までの俺は宇宙怪獣戦艦だったが、今はただの人間だ」 「でも、なんで私を呼び出したの? 別に私じゃなくても、この役目は」 「みなまで言わせるな」 忌部は紀乃の方向を変えさせると、ぽんと背中を押してきた。 「後は自分でなんとかしろよ。ここまでお膳立てしてやったんだからな」 忌部はひらひらと手を振りながら、紀乃の傍から離れていった。紀乃は戸惑い、鼓動が跳ねて息が詰まってきた。 あれほど会いたかったのに、いざ会うとなると緊張してどうしようもない。胸の前で手をきつく組むと、鼓動の激しさが 直接伝わってくる。頭もくらくらしてきて、喉が渇いてくる。けれど、躊躇している時間が勿体ない。紀乃は腹に力を 込めると、岩場から砂浜に出て駆け出した。あまり長さのない砂浜なのに、いつか見た銀河系のような膨大な距離の ように思えてくる。踏み締めた砂粒が跳ねて視界の隅で煌めいた様は、流星雨のようだ。西日に染まった茜色の 海は、惑星ニルァ・イ・クァヌアイの在りし日の姿を思い起こさせる。暮れゆく空の色は、プラズマの雲に似ている。 息を切らしながら走り抜いた紀乃は、砂浜に立ち尽くす影を見つけた。 「ゾゾ!」 紀乃が名を呼ぶと、ゾゾはびくりと尻尾を立てて振り向いた。 「紀乃さん!?」 「忌部さんと、ワンがね。あと、小松さんと、ミーコさんがね」 息を切らしながら紀乃が説明すると、それだけでゾゾは納得したようだった。 「ああ、そういうことですか。皆さん、お節介ですねぇ」 「それでね、その」 「よくお似合いですよ」 紀乃が制服を示す前に、ゾゾは笑顔で頷いた。紀乃は赤面し、ブレザーの裾を押さえる。 「そう? ちょっと大人っぽすぎないかなぁ?」 「いえいえ、そんなことはありませんよ。これから紀乃さんは大人になるのですから、相応になりますとも」 ゾゾは紀乃に近付いてきたが、一定の距離を保っていた。以前であれば、そんなものはなかった。改めてゾゾの 意志の硬さが感じ取れるが、もう遠慮していられる余裕はない。紀乃は真っ直ぐ駆けてゾゾの腕の中に飛び込み、 冷たく厚い肌に体を押し付けた。見かけより逞しい腰に腕を回し、固く、強く、抱き締める。 「会いたかったよぉ……」 「二度と接触してはならぬと言ったはずですが、無駄だったようですね。私も、お会いしたかったです」 ゾゾは首を緩やかに振ってから、紀乃の顔に手を添え、上向かせる。 「お顔を見せて下さい」 赤い単眼から注がれる視線の真摯さに、紀乃は若干気恥ずかしくなって目を逸らしかけたが、ゾゾの単眼から 目を離すと後悔してしまうと視線を交わらせた。ゾゾは単眼を細めると、四本指を曲げて紀乃の顔を慈しむ。 「これこそ、紀乃さんが生まれ持った本来のお姿です。生体電流も正常ですし、脳波も落ち着いています。長い間、 苦しませてしまって申し訳ありませんでした。過剰な能力に振り回されることは二度とありませんし、心身に掛かる 過負荷もなくなりましたので、寿命が削られてしまう危険性も失われました。紀乃さんも、他の皆さんも、インベーダー でもなければミュータントでもありません。紛れもない人間です」 「ありがとう、ゾゾ。皆を元に戻してくれて」 紀乃はゾゾの手の感触の優しさに、頬を染める。ゾゾは一度瞬きし、口元を綻ばせる。 「礼を言うのは私の方です。皆さんがいてくれなければ、私は当の昔に折れていましたとも」 「いつ、地球から出ていくの?」 紀乃が問うと、ゾゾは膝を折って紀乃と目線を合わせてきた。 「忌部さんの生体洗浄と生体復元が終わりましたので、明日にでも」 「そっか」 紀乃はせめて笑顔を見せようとしたが、頬は少しも緩まなかった。 「必ず帰ってきてね。他の誰がなんて言ったって、私はゾゾを待ってる。何万年経ったって、絶対に」 「ありがとうございます。その言葉だけで、私もワンも報われます」 ゾゾも笑顔を作ろうとしたが、ぐ、と声を詰まらせて紀乃を乱暴に抱き寄せた。 「ああ、ああ、ああ! 愛しています、紀乃さん! あなたを思わぬ日は一度もありませんでした、あなたを欲さぬ時は 一秒もありませんでした、あなたを愛さぬ瞬間は一拍もありませんでした!」 「私も好き! 大好き!」 紀乃はゾゾの腕に等しい力で抱き返し、声を嗄らさんばかりに叫ぶ。 「どんなに離れてもゾゾが好き! 人間じゃなくても好き! 侵略者でも好き! だってゾゾだから!」 「なんと嬉しい御言葉か」 ゾゾは紀乃の濡れた目元に口先を付け、その涙を丁寧に舐める。紀乃はかかとを上げて両手を伸ばし、ゾゾの 涙の筋が付いた顔を挟んで引き寄せる。ゾゾも紀乃の顔を両手で柔らかく包み、腰を曲げてくる。 「ゾゾ。愛してる」 紀乃は心からの笑顔を浮かべると、ゾゾは口元を広げた。 「紀乃。あなたに出会えて、本当に良かった」 薄く柔らかな唇と固くざらついた唇が接する。最初で最後の行為に、どちらも全力で愛情を注ぎ合った。もう二度と 会うことはないと解っているから、後悔しないように注げるものは全て注いだ。いつしか太陽は水平線に没し、紀乃が 記憶の海に浸るような旅をした宇宙が姿を見せる。無数の星々が降らせる光の下、二人は疲れも眠りも忘れて 愛を交わした。太さも長さも本数も違う指を絡め合って、どれほど膨大な距離と時間に隔てられようとも心は決して 離れてしまわないように、互いの愛を信じ合った。 そして、夜が明けた。 11 2/15 |