機動駐在コジロウ




ペインは剣より強し



 船島集落の中程まで進んだが、一度、行軍を止めた。
 理由は、つばめがニットタイツが吸った冷や汗の気色悪さを我慢出来なくなったせいだ。この非常時に些細なこと を気にしている場合か、とつばめ自身も思うのだが、べとついた羊毛といつまでも乾かない汗のコンボはどうしても 耐えられなかった。なので、人型重機の運転席に入り、ショートパンツを脱いでからニットタイツを脱いだ。靴下など 持ち合わせていないので素足で長靴を履くことになってしまうが、そればかりは仕方ない。
 素肌を曝すと、途端に清々しさが訪れた。つばめは汗を吸ったニットタイツを丸め、破裂寸前のトートバッグの中 に強引に押し込んだ。が、そこでふと思い付いた。コンガラとナユタとアマラさえ持ち歩いていればいいのだから、 荷物まで一緒に持っていく必要はないのではないか。つばめはトートバッグの底から金属製の箱であるコンガラを 引っ張り出し、自前のハンカチで包んでおいたアマラを取り出し、ナユタと共に携えた。

「あー、やれやれ」

 つばめが外へ出ようとハッチを開けると、コジロウが外側から閉めてきた。

「え、なんで?」

 つばめが戸惑うと、コジロウはワイヤー入りの強化ガラスの窓越しにつばめを見下ろしてきた。

「現状においては、つばめの心身に危険が及ぶ可能性が高い。よって、人型重機の操縦席に搭乗していれば 負傷する危険性が軽減する」

「でも」

 外に出ないことには、とつばめは再度ハッチを開けようとした時、コジロウの背後を発光する飛行物体が白煙の糸を 引きながら駆け抜けた。一秒と経たずに着弾し、炸裂し、鋭い衝撃波が人型重機を軋ませる。今度は何事だ。 つばめはフロントガラス越しの外の様子を窺ったが、謎の物体を発射してきた方向がよく見えなかった。仕方ない ので人型重機の頭部のカメラを操作し、モニターに映し出してみると、見覚えのない細身のサイボーグの姿が映し 出された。スレンダーな体型と昆虫じみた細長い手足は神名円明にどことなく似ているが、そのサイボーグの顔に 凹凸はなく、鏡面加工が施されていて人型重機の機体が歪んで映っていた。

「ねえコジロウ、これって誰?」

「敵対勢力だ。よって、本官は対処行動に出る」

「だから、それって誰なの?」

 つばめがフロントガラス越しにモニターを指してコジロウに問うと、コジロウはその質問に答える前に、人型重機の 外装を蹴り付けて、結晶体に覆われた空に吸い込まれんばかりの高さに跳躍していた。人型重機を遮蔽物にして 武蔵野と一乗寺が発砲したのだろう、銃声が重なった。だが、無反動砲を担いでいるサイボーグは被弾しても無傷 で、細身の体には馴染まない迷彩柄の戦闘服に穴が開いただけだった。

「痛っ、これ、ちょっとだけど痛い!」

 先程と同じく、サイボーグが被弾するたびにつばめも同じ場所に痛みが訪れた。脆弱な生身の肉体でしなかった 少年に比べると耐久性が抜群に高いおかげなのか、自動小銃の射撃を受けても小石をぶつけられた程度の痛み しか起きなかった。あの苦しみに比べれば大したことはないとはいえ、やはり痛いものは痛い。

「舐めプじゃないですかー、こんなのー。ガチ勝負しましょうよー」

 妙に間延びした言葉遣いのサイボーグは無反動砲を投げ捨て、背後に山積みになっている銃器の中からガトリング 式の機関銃を取り出してバレッタベルトを装着し、見るからに重たそうなバッテリーボックスにコードを繋いで電源 を入れた。両手でハンドルを握ったサイボーグは、銃身を上下させて無邪気に照準を動かす。

「ねー、武蔵野さーん」

 照準が武蔵野に定まり、その親指がスイッチを押し込むかと思われた瞬間、白と黒の影が舞い込んだ。コジロウ は台座に据え付けられている機関銃を毟り取り、小枝のようにへし折ってから、バレットベルトに詰まっている銃弾 を握り潰した。つばめは人型重機のカメラアングルを操作してコジロウを捉えるが、彼の背中しか見えず、細かい 状況までは掴めなかった。コジロウの影に覆われたサイボーグの青年は、少々後退る。

「えー? 俺がやり合いたいのはパンダじゃなくてー、俺に良い感じの人生論を教えてくれなかった武蔵野さんなん ですけどー。お呼びじゃないにも程があるんですけどー」

 赤いゴーグルから放つ光量が増したのか、サイボーグの鏡面加工された顔面が赤い光を撥ねる。

「大体ですねー、あんなに偉そうなことを言っておいて結局何もしないで俺の死にオチってのはつまんなさすぎって いうかー、テンプレの展開ですらないっていうかー、総容量がテラバイトもあるパッチを当てなきゃならないレベルの ガチクソゲーっていうかー、訴訟モノっていうかー、まー、そんな感じでー?」

 サイボーグは銃器の山から自動小銃を二挺引き抜き、両手で構える。

「だからまずー、適当な誰かの死亡フラグを回収しますかー」

 二つの銃口が上がり、人型重機を隔てて皆に狙いを定める。だが、コジロウはそれを許さなかった。鮮やかな回し 蹴りで自動小銃を一度に二挺薙ぎ払い、更にサイボーグの胸を蹴り、腹を蹴り、最後に痛烈な左ストレートを頭部 に叩き込んだ。もちろん、それらの痛みも衝撃もつばめに伝わってきた。特に痛いのが下腹部で、生理痛の何倍も 重たい痛みが疼いた。強かに頭を殴らせたせいだろう、ひどい目眩もする。

「うえぇ」

 二度目ともなれば慣れると思ったが、辛いものはやはり辛い。つばめが背を折り曲げて呻いていると、滲んだ涙で 歪んだ視界にサイボーグの視界が紛れ込んでくる。自分自身ではないにしても、コジロウに何度も何度も殴られる 光景を見せられるのはきつい。だが、サイボーグもかなりの手練らしく、コジロウの絶え間ない打撃と蹴りの合間に 武器の山から次なる銃を調達しては撃ち、武蔵野らを追い詰めていた。
 先程の要領で解決策を見出すにしても、相手の正体が解らなければ意味がない。つばめが脳震盪を起こしそうな 打撃の嵐にじっと耐えていると、操縦席の外に道子がやってきた。つばめはハッチを開けようとするが、道子は首を 横に振った。その必要はないということだろう。つばめが手を下ろすと、操縦席のモニターから道子の声が聞こえて きた。ハッチを開けさせてはつばめを危険に曝してしまうと判断したからだろう。

「で、道子さん。あいつって何者?」

 つばめは苦痛のあまりに喉の奥に迫り上がる異物に辟易しながら問うと、道子は答えた。

『鬼無克二さんという方で、武蔵野さんの同僚だったサイボーグです。生い立ちが結構アレな方で、父親は新免工業 の社長さんの神名円明さんなんですけど、それだけです。で、色々あって自殺に追い込まれて、バラバラに砕けた 肉体は神名さんが作り上げた人間もどきの培養プラントで使用され、一時期は鬼無さんのクローンの傭兵が世界中 に散らばっていて戦っていたんです。で、その後、神名さんは鬼無さんに殺されてしまいまして』

「もういい、いいって」

『ですけど、敵の情報は出来るだけ多く掴んでおいた方が、つばめちゃんが有利になる可能性が』

「いいから!」

 つばめが声を荒げると、道子は渋々引き下がった。つばめは歯を食い縛って喘ぎを殺しながら、モニターの中で コジロウと戦い続けている鬼無克二という男を見据えた。彼の生い立ちは不幸の連続であり、この世に自分という 存在を産み落とした親を心底恨まなければ自我を保てないほど、打ちのめされていたのだろう。それなのに、父親 は鬼無を陥れて死なせたばかりか、死んでからも尚、擦り切れるほど利用し尽くした。誰に対しても攻撃的になって いなければ、また誰かに裏切られ、陥れられ、殺されると思っているからだ。ああ、解る、解る。

「解るんだったらー、なんで俺達にも気を向けてくれなかったわけー?」

 不意に、つばめの間近で鬼無が答えてきた。つばめがぎょっとして顔を上げると、つい今し方までコジロウと交戦 していたはずの鬼無が、操縦席のフロントガラスの前に仁王立ちして銃を向けていた。

「ねえ、ねえ、ねえ? なんであいつらには共感してくれてパーティに入れてやったのにー、なんで俺らみたいなの にはそういうイベントがないんですかー? フラグ立てないんですかー? 不公平過ぎじゃないですかー?」

 一発、二発、三発。強化ガラスに鉛玉が埋まって放射状にヒビが走り、細かな破片がつばめにも及ぶ。つばめは コンガラを膝に抱えてナユタとアマラを握り締めるが、これをどう使えば鬼無を止められるのか。そもそも、鬼無は どうやってここまで移動してきたのか。一拍遅れて人型重機に戻ってきたコジロウが鬼無の背後を取るが、鬼無は ハンドガンの銃口をつばめに向けたまま、コジロウに振り返る。

「お前やコジロウはそりゃ主人公格だろうしー、あいつらも準レギュラー枠なんだろうけどー、だからって何かと優遇 されるのはおかしすぎじゃないですかー、主人公補正が効き過ぎじゃないですかー。大体ー、俺だって俺の人生の 真ん中を突っ走って生きてきたわけでー、ラノベ化漫画化アニメ化されればー、不条理バイオレンス復讐劇みたいな 感じで割と面白いかなーって思っているんだけどー。なんでいつも、俺はそうじゃないんだろうな」

 唐突に語気を強張らせた鬼無は、コジロウにハンドガンを向け、撃った。

「ああ俺ばっかり俺ばっかり俺ばっかり! いつもいつもいつもいつもいつも割を喰って、喰って喰って喰って喰って 喰いまくってこの有様! どうしてこう、ろくな目に遭わないんだろう! いつか良いことがあるって、俺が幸せになる ルートがあるはずだって、俺が報われる日が来るんだって、俺がまともに生きられる場所があるんだって、俺のことを 好きになってくれる人がいるはずだって、はずだって、はずなのに、はずだったのにさぁ!」

 鬼無は何発も連射して弾切れを起こしているはずなのに、ハンドガンの引き金を引き続けた。金色の小さな円筒、 薬莢が無数に飛び出しては転がる、転がる、転がる。涙を流せない機械の体の男の、金属の涙のように。

「まともってなんだよ。ちゃんとした親ってなんだよ。普通ってなんだよ。なんだよなんだよなんなんだよ、俺にそれを 教えてくれる奴はいたか、いなかったよ、してくれそうな人はいたけど、俺からは離れていったんだ! そもそも俺の ことなんか気にしてくれていなかったんだ! だから、あの船上戦で俺を撃ちやがったんだ! あいつだけは信じて もいいかもしれない、今度こそまともな人生にルート変更出来るかもしれない、軌道修正出来るフラグが立つかも しれないって思っていたのに、俺だけだったんだ、俺のことを考えているのは、俺しか俺のことなんか考えてもくれ なかったんだ! ああ、だから何もかもどうでもいい、何もかも死んでしまえ壊れてしまえぇえっ!」

 銃声と共に淀みなく吐き出される、血反吐を含んだ叫び声につばめは身を丸めた。まともな親がいないということ がどれだけ不安で、足元が不確かになるのかは痛いほど解る。だから、自分を支えるものが欲しくなった。つばめの 場合は現金で、鬼無の場合は拳銃と暴力だ。コジロウから間接的に殴られた体も痛いが、心が更に痛い。
 だが、それとこれとは別だ。つばめは深く息を吸ってから詰め、遺産を抱き締めた。一番武器になりそうなナユタ を右手で思い切り握り、振り翳すと、銃撃で割れて白くなったフロントガラスが簡単に吹き飛んだ。細かなガラス の破片が散る中で立ち上がり、つばめは自分自身と鬼無に向けて、腹の底から叫んだ。

「黙れぇええええええっ!」

「なんだよ、やっと俺を気にしてくれたと思ったのに言うことはそれかよ、マジかよ最悪すぎる」

 鬼無は半笑いになりながら、無限に銃弾が生まれる拳銃を挙げた。半分現実であって半分非現実だから、銃弾に 限りはないのだろう。つばめはコジロウを一瞥し、動くなと命じてから、鬼無に対峙した。銃口が真っ直ぐつばめの 額に向かい、細長く平べったい指が黒光りする引き金に掛けられる。

「で、どうすんの。俺を口説いて今更仲間にする? それとも薄っぺらくて向こうが透けて見えるレベルのガキ臭さ 丸出しの御説教でもすんの? でなかったら、俺を殺す? 無駄だよ、この空間の中じゃ俺は死なない。っつーか、 俺は概念の一部になっている。あんたらの記憶の中にいる俺達が具象化されているだけだから、何度倒したところ で無意味なんだよ。あんたら自身が死ななきゃ、俺達自身も消えないから」

「そんなんだから嫌われるんだよ、友達がいないんだよ、誰も好きになってくれないんだよ!」

 つばめは銃口にナユタを向け、鬼無から逆流してきた感情の奔流と戦いながら、自分自身に言い聞かせる。

「捻くれてもいいことなんて一つもない! 外面だけを良くしたって疲れるだけだ! 他人が信用出来ないのも解る、 したくないのも解る、でも他人は他人だ、自分のことを考えられるのは自分だけだ! だから、自分で自分を肯定 出来るようになれば、それだけで大体のことはなんとかなるもんだぁーっ!」

 ナユタから広がる球状の青白い光の中、つばめは体を浮かび上がらせ、ナユタを銃口に捻り込む。他人と自分と の折り合いを付けるためには、そう思うのが一番簡単だからだ。一閃、収束した青白い閃光が迸り、鬼無の拳銃と 頭部を貫通して空中を駆け抜けていった。遙か彼方のフカセツテンの外殻に着弾し、白煙が上がる。
 鏡面加工された頭部を備えたスレンダーなサイボーグは、その顔には何も映せなくなっていた。顔面に穴が穿たれて 内部機関が露わになり、煮えた脳がぐじゅりと零れ落ちてきた。脱力した鬼無は両足を折って膝を付き、倒れると、 動かなくなった。つばめは震える手で熱したナユタを包み、光を収めると、項垂れた。

「ごめん。でも、こうするしかないんだ」

 その気持ちは解るが、解りすぎるから、相容れない相手もいる。もしもつばめが備前家に受け入れられず、どこぞ の孤児院にでも放り込まれていたら、鬼無と同等に捻くれていただろう。だから、下手に優しくしたり、あなたのことを 大事に思うよ、と言っても真っ当に受け止めるわけがない。むしろ、馬鹿にされたと逆上するのが関の山だ。

「つばめ」

 鬼無の遺体を跨ぎ、コジロウはつばめに手を差し出してきた。

「大丈夫、大丈夫だから」

 コジロウの手を取り、つばめは人型重機の操縦席から外に出た。長靴の底でガラスの破片を踏み砕き、無惨な 死に様の鬼無に罪悪感を抱いたが、力任せに押し殺した。全然大丈夫じゃない、もう帰りたい、戦いたくない、自分 の嫌なところなんて見たくない、そう言ってコジロウに縋り付きたかった。けれど、出来なかった。ここまで来て弱音を 吐いては、皆を散々苦しめた意味がない。死に物狂いで遺産を手に入れた意味がない。
 人型重機の上から見下ろす船島集落は、つばめの心情とは裏腹にのどかだった。異次元を作り、保っているのは つばめではないからだ。己の中と外の落差に負けそうになったが、つばめはコジロウに頼んで抱えてもらって、 人型重機から地上に戻った。鬼無との交戦を終えた面々は、つばめとコジロウに駆け寄ってきた。

「無茶しやがって」

 武蔵野に荒く頭を撫でられ、つばめは少し気が抜けた。

「ああでもしないとダメだったからさ」

「にしたって、やりすぎだろ。ああいうのは、俺らの仕事だ」

 何のために付いてきたと思ってやがる、とぼやきながら、寺坂は借り物のサブマシンガンを下ろした。

「で、これ、弾切れなんだけど。どうすりゃいいの?」

「あーもう、貸してよ。これだから素人は」

 一乗寺は寺坂の手からサブマシンガンをもぎ取ると、空になったマガジンを外し、背嚢から取り出した銃弾をその中 に詰めていった。武蔵野も自身の自動小銃のマガジンを外し、スペアに付け替える。

「しかし、鬼無とやり合ったせいで随分と無駄弾を散らしちまったな。わざわざ担いできたってのに」

「じゃ、今度こそコンガラの出番じゃないですか? 多少性能は劣化しますけど、誤差の範疇ですよ」

 ではよろしくお願いします、と道子はつばめに一礼すると、銃弾が詰まった紙箱を差し出してきた。

「そういえば、アマラ、どうしよう。前みたいに道子さんが使う?」

 つばめはコンガラの底を銃弾の箱に当てると、道子の手のひらに載った箱が増殖し、地面に落ちた。

「それはちょっとお勧め出来ませんね。お気持ちはありがたいんですが。私も遺産の産物の範疇に入りますから、 長光さんの作戦によっては私もおかしなことになりかねません。ですから、アマラは引き続きつばめちゃんの手元に あった方が安心ですね。いざという時には、遠慮なくお使い下さい」

「使うって言っても、使い方が解らないんだけどなぁ」

 つばめはポケットからハンカチを出し、アマラを眺めた。その間にも銃弾は箱ごと複製されていて、いつのまにか 道子とつばめの足元には箱が山盛りになっていた。それを一箱拾った武蔵野は、真新しい銃弾を取り出して入念に 眺め回し、出来を確かめる。

「まあ、まともに撃てそうではあるな。中の火薬の量も解れば良いんだが、撃てるだけでもマシだ」

「で、伊織は? どこ行っちゃったの?」

 人型軍隊アリの姿がないことに気付いたつばめが辺りを見回すと、一乗寺は肩を竦めた。

「チームワークもクソもないんだよ、いおりんって。だから、放っておいたらいいんじゃないのー? スタンドプレーで 死んだとしても、自己責任だよ。9パラばっかりってのもアレだし、他の口径の弾も作ってよ」

 ほれライフル弾、と一乗寺が笑顔で差し出してきた紙箱に、つばめはコンガラを当てようとした。だが、突如として 現れた黒い壁に遮られた。どこから降ってきた、或いは生えてきたのだろうか。つばめはコンガラを抱えて後退り、 それが何なのかを悟ったが、悟った直後に黒い長方形の壁に飲み込まれた。皆の声が黒い金属板に隔てられて 遠ざかり、背後で蓋が閉じた。逃げ出そうとして強かに額をぶつけたつばめは、鈍い痛みに呻き、うずくまる。
 タイスウに閉じ込められてしまった。





 


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